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IAEAのグロッシー事務局長がイランの核物質管理状況に懸念を表明、査察の受け入れと協力の即時再開を強く要求

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長は10月27日、国連安全保障理事会に対し、イランの核関連物質の現状について懸念を表明した。

IAEAのグロッシー事務局長がイランの核物質管理状況に懸念を表明、査察の受け入れと協力の即時再開を強く要求

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシー事務局長は10月27日、国連安全保障理事会に対し、イランの核関連物質の現状について懸念を表明した。2025年6月以降、軍事的な攻撃を受けてIAEAの査察官が撤退を余儀なくされて以来、同機関はイランが保有する440キログラムの高度濃縮ウランを含む核物質の行方や、安全保障上の管理状況について確認できていない。

IAEA事務局長による査察再開の要請

グロッシー事務局長は安保理の会合で、イランに対し、未解決の安全保障上の懸念を解消するために「これ以上の遅延なく」IAEAと協力するよう強く求めた。同氏によれば、IAEAの査察官は数ヶ月前からイランへ戻る準備を整えているが、イラン側からの情報提供や施設へのアクセスは拒まれている。IAEAは、イランが核不拡散条約(NPT)に基づき、すべての核物質および活動を申告し、平和的利用から転用されていないことを確認させる法的義務を負っていると強調した。

一方で、イランの原子力庁は、ブシェール原子力発電所における検証活動についてはIAEAと建設的な協力関係を維持している。同発電所は例外的に査察が継続されており、使用済み核燃料を新しい乾式貯蔵施設へ移送するための機器搬入についても調整が進んでいる。しかし、その他の施設については、2025年6月の軍事攻撃以降、査察の受け入れが停滞している状況だ。

軍事攻撃を受けた核施設の現状

IAEAによる遠隔監視や情報収集の結果、2025年および2026年の攻撃を受けた施設において、再建や修復に向けた活動の兆候は確認されていないとグロッシー氏は報告した。しかし、「施設への実地アクセスに勝るものはない」として、現場検証の重要性を改めて指摘した。イスファハーン燃料濃縮プラントについても、2025年6月の攻撃直前にイランがIAEAへ申告していたものの、攻撃後は度重なるアクセス要請が拒絶されている。

IAEAのグロッシー事務局長がイランの核物質管理状況に懸念を表明、査察の受け入れと協力の即時再開を強く要求
写真:WV News

米国とイスラエルによる度重なる軍事作戦は、イランの核インフラに甚大な影響を与えた。2025年6月の攻撃について、米国政府は当初「完全に破壊した」と評価したが、その後の脅威評価報告では、イランが核インフラの壊滅状態から回復を試みている可能性が指摘されるなど、評価の不一致も見られる。2026年4月のホワイトハウスの発表では、弾道ミサイルや攻撃ドローンを含む800以上の標的が破壊され、ミサイル生産能力が壊滅したとされている。

安全保障理事会における各国の対立

安保理での議論は、各国の立場の違いにより紛糾した。会合の議題採択において、11カ国が賛成したものの、ロシアと中国が反対し、パキスタンとソマリアが棄権した。中国の傅聡国連大使は、イラン核合意を支持していた安保理決議2231号は2025年10月18日に期限切れを迎えたと主張し、安保理やIAEAはイランの核問題に関する審査を停止すべきだと述べた。ロシアのワシリー・ネベンジャ大使も、西側諸国が推し進める「破壊的な道」を批判し、外交的解決以外の選択肢はないと強調した。

IAEAのグロッシー事務局長がイランの核物質管理状況に懸念を表明、査察の受け入れと協力の即時再開を強く要求
写真:巴士的報

今後の焦点と未解決の課題

イランのゴラムホセイン・ダルズィ国連副大使は、安保理での議論に対し、イスラエルの核兵器保有疑惑には沈黙を守りつつイランのみを批判する「二重基準」であると反論した。IAEAは、3月時点でもイランが核兵器製造の構造的な計画を有している証拠はないと報告していたが、査察が遮断されている現状では、核物質の平和的利用の保証は困難な状態が続いている。

IAEAのグロッシー事務局長がイランの核物質管理状況に懸念を表明、査察の受け入れと協力の即時再開を強く要求
写真:Arab News

安保理が分裂状態にある中、外交的な突破口は見出せておらず、査察官がいつ全施設へのアクセスを回復できるのか、あるいは未確認の濃縮ウランが今後どのような管理下に置かれるのかについては、現時点で明確な見通しが立っていない。グロッシー事務局長は、外交的な交渉の準備は整っているとしつつも、IAEAによる検証なしには、いかなる解決策も信頼性を担保できないと警告している。

執筆者について: nipponese

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