ゼネラル・モーターズ(GM)が発表した第3四半期決算は市場予想を上回る好調な内容となった一方で、通期利益見通しの引き上げではなくレンジの絞り込みが行われ、同時に新たな巨額の自社株買いが発表された。
ゼネラル・モーターズの第3四半期決算と通期見通し
発表された第3四半期の売上高は500億ドルとなり、前年同期比で2.9%増加し、ブルームバーグのコンセンサス予想である485億2000万ドルを上回った。調整後1株当たり利益(EPS)は3.70ドル(予想は3.57ドル)、調整後金利・税引前利益(EBIT)は41億ドル(予想は40億2000万ドル)を記録し、EBITは前年同期から約22%増加した。好決算を背景にしつつも、通期見通しについては、調整後EBITを145億ドル〜155億ドル(従来は140億ドル〜160億ドル)、調整後EPSを12.75ドル〜13.75ドル(従来は12.00ドル〜14.00ドル)へと調整した。いずれのレンジも中点自体は変更されていない。
取締役会による新たな200億ドルの自社株買い承認
こうした中、取締役会は有効期限を設けない新たな200億ドルの複数年自社株買い枠を承認した。Yahooの報道によると、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は株主への書簡で、取締役会による株主価値のさらなる創出に向けたコミットメントを示すものだと強調している。
コスト圧力と販売動向の課題
良好な利益水準の一方で、コスト増加要因や販売面の課題も明らかになっている。物価上昇圧力の影響により、物流費やDRAMなどのメモリーチップ費用を含むコモディティ関連のインフレコストは、従来予測の15億ドル〜20億ドルの上限である約20億ドルに達すると見込まれている。さらに、規制関連の恩恵についての予想は、最大7.5億ドルから約5億ドルへと下方修正された。これらを相殺する要素として、関税コストの総額は25億ドル〜35億ドルのレンジの下限に向かっている。
また今月初めに報告された第3四半期の米国内販売台数は67万974台となり、前年同期比で5.5%減少した。これは、ピックアップトラックや小型SUVの好調さを電気自動車(EV)の販売急減が相殺した結果であり、EV販売台数は約62%減の約2万5500台に落ち込み、米国内総販売量における割合も前年の9%超から4%未満へと縮小している。モデル別では、シボレー「エキノックスEV」が92.4%減の1905台、「ブレイザーEV」が84.4%減、GMC「ハマーEV」が72.9%減、キャデラック「リリック」が50.5%減と軒並み低迷した。EVを除いた場合の販売台数は実質的に横ばいの0.3%増となっている。
巨額の自社株買いや堅調な利益を生み出す一方で、コスト上昇への懸念やEV市場の大幅な落ち込みという逆風が残る中、今後の市場環境や業績の行方に対して投資家がどのような判断を下していくのか、その答えはまだ示されていない。