ホワイトハウス東翼の撤去と4億ドルの巨大計画
トランプ政権は昨秋、ホワイトハウスの歴史的な東翼を取り壊しました。その跡地では、広さ9万平方メートル(8,400平方メートル)におよぶ大規模なボールルームの建設が進められてきました。当初4億ドルとされていたプロジェクトのコストは、のちに6億ドルへと跳ね上がっています。
ドナルド・トランプ大統領は、この計画を米国民への「贈り物」であると繰り返しアピールしてきました。しかし、歴史的建造物の保存活動家たちが建設を差し止めるために関係訴訟を起こし、プロジェクトは法的な争いに発展していました。
Appeals court stops Trump from going ahead with ballroom
連邦控訴裁判所による2対1の判断

ワシントンを拠点とする米D.C.地区連邦控訴裁判所の3名による裁判官パネルは, 金曜日の決定において2対1の賛成多数で判決を下しました。この決定により、連邦控訴裁はU.S. District Court Judge Richard J. Leon(リチャード・J・レオン連邦地裁判事)が3月31日に下した、議会からの明示的な承認がない限り一切の工事を進めてはならないとする判決を支持しました。この地裁の ruling は、控訴審による審理中の4月に一時停止されていました。
控訴裁の裁判官を務めるPatricia Millett(パトリシア・ミレット判事)とBrad Garcia(ブラッド・ガルシア判事、別表記 Bradley Garcia)は、多数派の意見書の中で以下のように記しています。
米国の歴史において、大統領が私的に集めた資金を用いて、議会が建設を承認し米国の納税者が費用を負担したホワイトハウスの相当部分を、単独で取り壊した例はこれまで存在しないとしています。
さらに裁判官らは、
各大統領はホワイトハウスおよびその公式居住棟の所有者ではなく、あくまで一時的な借受人であると指摘しています。
と判決文には記されており、大統領はこの財産に対して憲法上割り当てられた権限を持たず、いかなる権限も主張していないと断じています。
司法判断の背景と今後の見通し
控訴裁は、巨大なボールルームを建設すべきか否かはあくまでも議会が決定すべき事柄であり、行政府による独断的な自力救済(self-help)の範疇外であると強調しました。「この判断は、提案されたボールルームが政策として望ましいかどうかに何ら関係するものではない。また、被告らが最終的にボールルームを建設できないことを必ずしも意味するものではない」と裁判所は補足しています。
憲法はホワイトハウスの物理的なデザイン変更を進めるかどうかの決定責任を、安全保障上の利益に資するとされる場合であっても、行政府ではなく議会に割り当てていると裁判所は指摘しました。この2対1の決定により、控訴裁は自らの裁定を2週間(14日間)にわたって差し止める(stay)措置を取りました。これにより、トランプ政権側は米国最高裁判所へ上訴する猶予が与えられています。
Appeals court halts construction of Trump’s $400m White House
なお、NBC Newsからのコメント要請に対してホワイトハウス側は即座に応じませんでした。
トランプ政権をめぐる他の建設構想への懸念
金曜日の控訴裁による裁定は、トランプ政権の別の建設プランが問題視されるニュースが報じられた、その同じ週に行われました。
National Park Service(国立公園局)による評価報告によると、トランプ大統領が提案している高さ250フィート(76メートル)の凱旋門(triumphal arch)について、リンカーン記念館とアーリントン国立墓地の間に位置する交通サークル周辺での建設計画が、数十におよぶ史跡の歴史的重要性を損なう可能性があることが明らかになっています。