コンゴ民主共和国(DRC)東部のイトゥリ州にあるエボラ治療病院で、感染防止作業員として働くウィザ・ボンデレ(Wiza Bondele)さんは、日々ウイルスへの感染リスクを抱えながら業務を続けている。AP通信の報道によると、ボンデレさんは汚染された区域の消毒や来訪者の体温チェック、手洗いプロトコルへの従事などを毎日行っている。
コンゴ東部のエボラ治療施設で無給のまま働く作業員ウィザ・ボンデレさん
イトゥリ州はコンゴで続くエボラ出血熱の流行の中心地であり、同州だけでエボラ確認症例全体の約90%を占めている。しかしボンデレさんを含む数百人の最前線の医療従事者や埋葬チーム、ドライバーらは、中部に位置する同国の最も遠隔かつ紛争の影響を受けた地域の一つで流行が宣言されて以来、無給での作業を強いられている。
約束された給与の未払いと過酷な生活環境
2018年のコンゴのエボラ対応にも参加した経験を持つボンデレさんは、地域社会を守りたいという思いから今回の流行で再び現場に戻った。しかし、月額510ドルの給与が約束されていたにもかかわらず、実際には支払われていないと訴えている。
経済的な困窮は深刻で、ある朝はバイクの燃料代がなくなり、バイクを近隣住民に預けた上で病院まで残りの13キロメートル(8マイル)を歩いて通勤する事態となった。到着した時には靴が破損していたという。
給与支払いを巡っては、リストの変更などの問題が発生しており、モバイルマネー取引による登録や出勤簿への署名を行ったものの、最終的に支払われたのは一部の作業員にとどまった。支払われた同僚の間でも、全額を受け取っていないとの声があがっている。
医療従事者のストライキと国際機関による危機感の表明
給与未払いや待遇の悪化、医療チームや施設への攻撃は、一部の作業員を離職に追い込み、感染拡大のスピードに追いつかない危機的な状況下で不可欠なケアを妨げている。ブニアでは、未払い賃金を巡るストライキや抗議活動が行われ、一時は医療施設を放棄して対応の一部に混乱が生じた。
こうした中、世界保健機関(WHO)やアフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)は、コンゴにおけるコミュニティ主導のエボラ対応の緊急拡大を求めている。両機関による高官級ミッションが、ブニアやキンシャサなどを訪問し、最前線の対応チームへの支援不足や物資の不足といった運用の課題を評価した。
WHOやAfrica CDCの発表によると、コンゴ全土での確認症例や死者が増加し、治療施設の逼迫や接触者追跡の遅れが指摘されている。世界保健機関(WHO)の報告では、最前線の医療従事者に対する支援の強化が不可欠であると強調されている。
困難の中でも続けられる感染対策活動
過酷な状況や未払いの賃金、さらには公衆の不信感や対応活動への抵抗など多くの障壁が存在する中、ボンデレさんをはじめとする数百人の作業員は週7日病院に通い続けている。Standard Democratが伝えるところによれば、ボンデレさんは自身の仕事があまりにも重要であるとして、「当局者の良心が私に支払うべきだと気づかせてくれることを願っている」と語っている。
