世論調査費用肩代わり疑惑で起訴された呉世勲(オ・セフン)ソウル市長に対し、控訴審で無罪判決が言い渡された。朝鮮日報(chosunonline.com)によると、裁判所は世論調査の操作依頼を裏付ける証拠が乏しく、明泰均(ミョン・テギュン)氏の供述の信ぴょう性が低いと判断した。
世論調査の必要性めぐる主張の食い違い
裁判所が今回、無罪判決を下した最大の要因は、呉世勲市長が世論調査の操作を必要とする状況ではなかったという判断にある。2021年のソウル市長補欠選挙当時、呉市長は党員以上に一般国民からの支持率が高い状況にあった。これは「自身が勝つための世論調査が必要だった」とする明泰均氏の供述と明確に矛盾する。裁判所は、呉市長がナ・ギョンウォン議員を上回る調査結果を強引に作る動機は薄いという弁護側の主張を認めた。
明泰均氏の供述の信ぴょう性が揺らぐ
検察側は、明氏が運営する未来韓国研究所の元職員カン・ヘギョン氏の供述を根拠に、調査結果の歪曲(わいきょく)を指摘していた。カン氏は「呉世勲が1位だった調査を、ナ・ギョンウォンが1位になるよう操作した」と証言したが、裁判所は明氏の専門性や背景を疑問視した。明氏は選挙戦略や情勢分析には長けていたものの、世論調査の専門家とは見なせないと結論付けた。呉市長が多額の費用を払ってまで、信頼性の低い人物に調査を依頼する合理的な理由は見当たらないという判断だ。
キム・ハンジョン氏との関係性に残る疑問
呉市長が世論調査費用を工面するため、後援者のキム・ハンジョン氏に直接依頼したという疑惑についても、二審は否定的な見解を示した。新たに提出された2021年3月6日の通話記録によると、明氏はキム・ハンジョン氏に対し「呉市長が直接紹介したわけではない」と語っており、紹介者はカン・チョルウォン元ソウル市政務副市長であったことが判明した。裁判所は、市長が直接金銭を要求するためにキム・ハンジョン氏に接触したという明氏の主張は信用し難いと判断している。
後援者との接触頻度と親密さの評価
裁判所は、呉世勲市長とキム・ハンジョン氏の間に、違法な政治資金を授受するほどの格別な関係があったとは認められないと指摘した。2021年1月1日から4月15日の間、両者の間でやり取りされたショートメッセージは計5件にとどまり、テレグラムでのやり取りも大半がキム氏側からの送信だった。呉市長からの返信は、3月31日の「ありがとうございます(笑)」という一言のみであったことが証拠として示されている。
裁判所は判決文の中で、呉世勲市長とキム・ハンジョン氏の関係について、「違法な政治資金を要求するほど親密な関係だとか、ほかの後援者に比べて格別な間柄とは見えない」と主張した。
今後の司法手続きにおいて、検察側が今回の無罪判決を不服として上告するかどうかが注目される。二審で崩れた検察側の論理に対し、どのような追加証拠を提示できるかが次の焦点となる。