元警視庁警部の平野晃也氏がFRIDAYデジタルなどの取材に応じ、反社会的勢力や匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の実態について実名で告白した。暴力団対策課の元警部補による捜査情報漏洩事件の背景や、違法スカウトグループ「ナチュラル」をめぐる内情が明らかになっている。
元警部補による情報漏洩とナチュラルの実態
FRIDAYデジタルなどの報道によると、警視庁暴力団対策課の元警部補である神保大輔受刑者は、’23年から’25年春ごろまで違法スカウトグループ「ナチュラル」の捜査を担当していた。しかし、私生活のトラブルで捜査から外された後、捜査用カメラの場所や摘発情報をナチュラル側に漏洩させたとして、地方公務員法(守秘義務)違反容疑で昨年11月に逮捕された。今年3月には懲役1年6ヵ月、執行猶予3年の有罪判決が下されている。元警視庁警部の平野晃也氏によれば、有罪判決の直後、人気アニメのキャラクターをアイコンに用いた神保受刑者本人からインスタグラムを通じて連絡があり、その後不動産系の顧問やナチュラルの幹部に就任したという情報が浮上したという。組織を模しながらも納税を行わず源泉徴収票を持たないメンバーたちが、自前で不動産会社を設立して住居を確保している実態が指摘されている。

三多摩の半グレとコカインをめぐる隠語
dメニューニュースなどが報じたところによると、警視庁は今年1月、住吉会の2次団体である幸平一家の対策本部を設置し、闇バイト強盗や詐欺、違法スカウトなどに関与するトクリュウと六本木や西麻布のラウンジやキャバクラをマークしてきた。現場のキャストの間では、「アフターでチャリンコ、漕ぎに行こう」という隠語が使われていた。ここで言うチャリンコとはコカインを指し、キャバ嬢たちが酔いざましとして摂取し、意識をはっきりさせて大量のお酒を飲むために利用していたとされる。そうした「チャリンコパーティ」のスポンサーである客の用心棒として帯同していたのが、数年前から六本木界隈で目立ちはじめた三多摩の半グレたちである。彼らに薬物を流していたのは幸平一家の下部組織のX組であると伝えられている。
キャバ嬢逮捕時のハンドサインが意味するもの
dメニューニュースの報道では、麻薬取締法違反容疑などで逮捕されたトップキャバ嬢の田沢梨乃被告(27)が、送検時に報道陣のカメラに向けて見せたハンドサインについても言及されている。自宅でコカイン0.4グラムや複数の袋を所持していたとされる田沢被告は、後部座席で右手の親指、人差し指、中指を使ってアルファベットの「C」に似た形を作ってみせた。さまざまな憶測を呼んだこのポーズについて、元警視庁警部の平野晃也氏は、かつて取り調べを行ったラッパーのKENNY-Gから直接聞いた話を明かしている。その答えは北多摩、南多摩、西多摩からなる「三多摩」地域を示す「3」のサインであり、福生などを拠点とするグループ側の人間であることをアピールしたギャングサインであったという。
暴力団の規律と今後の捜査のゆくえ
平野晃也氏の告白では、現役時代に接触した暴力団組員たちの動向や組織のあり方についても触れられている。二代目竹中組の安東美樹組長は自ら食費を切り詰めて質素に生活しており、その姿を見ている組員たちも派手な行動を控え、詐欺や薬物に手を出さないことで組織の規律が保たれているという。こうした姿勢は土建業などカタギの社長層からも支持を集めている。元捜査員がトクリュウの幹部に転身する前代未聞の不祥事が発覚した一方で、暴力団と半グレ、そしてトクリュウが絡み合う裏社会の構造に対して、警察当局による徹底した取り締まりと解明が続けられている。