ルビオ米国務長官は21日、トランプ政権がウクライナの軍用衛星通信「スターシールド」の接続を制限したとの疑惑を全面的に否定した。Yahoo!ニュースによると、長官は政府によるシステムへの介入を否定した上で、ウクライナ側による支援不足の批判に対しても強く反論した。
ルビオ長官がスターシールド接続制限疑惑を否定
ルビオ米国務長官は21日、インド訪問に向かう機内で記者団に対し、トランプ政権がウクライナ軍の衛星通信システム「スターシールド」の接続を制限したという疑惑について、事実無根であると明言した。米国務省によると、ルビオ長官は「米国大統領も、米国政府内の誰一人として、そのシステムに何らかの変更を加えろと要請したことはない」と語り、政権の関与を否定した。
この疑惑は、ウォール・ストリート・ジャーナルが前日に報じたものだ。同紙は、通信速度制限の指示者がスペースXのイーロン・マスクCEOであり、マスク氏が制限をかける前にトランプ大統領や政権高位当局者と協議したと伝えていた。しかし、ルビオ長官は「大統領はどの時点でも、彼らを処罰したり教訓を与えたりしたいのでシステムを使わせないようにしろ、などと話したことはない」と強調した。
民間企業スペースXの独立性を強調
ルビオ長官は、スターシールドの基盤である衛星通信システム「スターリンク」を運営するスペースXが民間企業であることを強調した。長官は「大統領はスターリンクとスターシールド、そしてマスク氏が下す決定と何の関連もない」と述べ、政府が企業活動に介入しているとの見方を退けた。
また、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた「米国政府がウクライナ防衛に必要なものを提供していない」という内容についても、ルビオ長官は「それは事実ではない」と反論した。米国政府がウクライナに対する支援を意図的に滞らせているという憶測を否定した形だ。
ウクライナ政府の「支援不足」批判に強い不満
ルビオ長官は、トランプ政権の支援が不十分だと主張するウクライナ政府に対しても強い不満を表明した。長官はゼレンスキー大統領を念頭に置き、次のように苦言を呈した。
米国がウクライナに提供しないもののために多くの人が死亡したと、あちこちで話し回るウクライナ政府の官僚が誰なのか分からない。
長官は、米国がすでに提供した多大な支援によって、数百万人の命が救われたと主張した。その上で、「トランプ政権を含む米国の支援がなかったなら、いまウクライナは存在しなかっただろう」と述べ、今後の対ウクライナ支援において、これまでのような防衛的な態度をとることはないと示唆した。
G20会議へのプーチン大統領招待の現状
ルビオ長官は、トランプ大統領が12月に米国で開催される主要20カ国(G20)会議にロシアのプーチン大統領を招待した件についても言及した。長官は「プーチン大統領がマイアミでの会議に参加する可能性がある」としつつも、「まだ確答は受けていない」と現状を説明した。
一方、ロシアのラブロフ外相については、「参加できると予想する。前回接触した際に参加すると話していたと記憶している」と述べた。ロシアはG20の一員であるため会議に参加するだろうとの見通しを示したが、プーチン氏の出席を巡っては、今後の外交調整が焦点となる。