11月3日の投票日に迫る米中間選挙は、トランプ大統領の政権運営に対する信任投票としての色彩を強く帯びている。インフレや相次ぐ軍事作戦への不満から、与党・共和党は伝統的な牙城でも苦戦を強いられており、野党・民主党は上下両院の多数派奪還を視野に入れている。
トランプ大統領の信任投票となった2026年中間選挙の構図
米国の各メディアが報じるところによると、2026年11月3日に投票日を迎える米中間選挙は、通常の地方選挙の枠組みを超えた全国的な政治闘争となっている。ダイヤモンド・オンラインは、トランプ大統領が自ら「自分が投票用紙に載っているつもりで投票してほしい」と有権者に求めている点を指摘する。複数の世論調査では、有権者の4割以上がトランプ大統領への反対を示すために投票すると回答しており、大統領の存在そのものが両陣営の投票行動を大きく左右している。
共和党の牙城を揺るがす4つの逆風と支持層の離反
盤石とされてきた共和党の地盤では、異変が起きている。毎日新聞が報じたニューズウィーク日本版の特集によると、原油やガソリン価格の高騰といったインフレが庶民の暮らしを直撃しており、上院・下院ともに民主党が多数派を奪還する可能性を示す世論調査が現れている。また、ダイヤモンド・オンラインは、ヒスパニック系有権者の離反や移民政策への不満など、共和党支持層の熱意低下を招く4つの逆風が吹いていると分析する。
米国の外交政策と物価高をめぐる有権者の割れる意見
中西部ミシガン州では、生活費の高騰やトランプ大統領による対イラン軍事作戦が主な争点となっている。AFPBB Newsの報道では、自動車製造工を退職した隣人同士の間でも意見が真っ二つに割れている。中東に息子を駐留させているというマイクさんは、税金が軍事作戦やどこかの懐に入っていると憤り、民主党候補の支持を表明する。一方でリッチさんは、民主党候補の姿勢が弱腰であると批判し、共和党候補を支持する構えを見せている。

与党の劣勢をめぐる政権側の迷走と選挙制度への懸念
日本経済新聞の社説によれば、こうした逆風に焦りを深めるトランプ大統領は、ロシアへの融和的な姿勢や、対ロ制裁の緩和など、あらゆる面で禍根を残しかねない迷走を見せている。さらに、接戦州における政府機関の巨額投資や高齢者向け現金給付といった財源を無視した空約束を連発している。くわえて、敗北時に備えて選挙そのものへの信頼をおとしめようとする試みも目立っており、分断をさらに深める要因となっている。
激戦州の行方と今後の政権運営の展望
タレントのパトリック・ハーランさんが指摘するように、カンザス州などの伝統的な共和党の牙城でさえ民主党候補が勝つかもしれないほどの激戦となっている。一方で、バイデン氏が大統領に当選した2020年当時のような感情の起伏は薄れ、米国政治の軌道修正に対してシニカルな見方が広がっているのも事実である。11月3日の開票結果次第で、第2次トランプ政権の後半2年の舵取りや、次期大統領選に向けた政治勢力図は大きく書き換わることになるとみられている。
