ロシアが18日から19日にかけての夜にキーウなどへ実施したミサイルおよびドローン攻撃で、ウクライナ国内で死傷者や広範な停電が発生したと、各メディアが報じた。Forbes JAPANによると、キーウでは21歳の女性1人が死亡し8人が負傷したほか、エネルギー施設10カ所以上が被害を受け少なくとも55万世帯が停電した。ウクライナ側も同日、ロシアのサンクトペテルブルクにある石油施設などをドローンで攻撃し、応酬が続いている。
キーウで集合住宅や医療センターが被災し1人死亡
ロシア軍が18日から19日にかけての夜にキーウへ行ったミサイル攻撃により、21歳の女性1人が死亡し8人が負傷したと、地元当局が明らかにした。ビタリー・クリチコ市長によると、ソロムヤンシキー地区にある25階建ての集合住宅が被害を受け、同地区だけで5人が負傷した。デスニャンシキー地区やドニプロウシキー地区でも被害が確認されたほか、鉄道インフラが損傷した影響で地下鉄のチェルニヒウシカ駅とリソバ駅が一時閉鎖された。さらに、ソロムヤンシキー地区の医療センターでは爆風で200枚以上の窓ガラスが割れ、医療機器や建物内部が損壊したため診療の一時停止を余儀なくされた。市の保健当局は、施設内に患者はおらず職員も無事だったと発表している。

一晩でエネルギー施設10カ所超が被災し55万世帯が停電
ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアによる一連の夜間攻撃でエネルギー施設10カ所以上が被害を受け、少なくとも55万世帯が停電したと発表した。エネルギーインフラが攻撃されたのは、東部のハルキウ州、中部のビンニツャ、キーウ、ジトーミル、キロボフラード各州、西部のボリーニ、フメリニツィキー、テルノーピリ、リウネ各州、そして南部のミコライウ、オデーサ両州に及ぶ。ゼレンスキーによると、ロシアはキーウ市とキーウ州に対して弾道ミサイル16発を使用し、ウクライナ空軍はミサイルやドローンなど計269機が発射されたと報告している。ウクライナの防空部隊はイスカンデル-K巡航ミサイル4発やドローン243機を撃墜あるいは無力化したものの、25カ所で着弾が確認された。
サンクトペテルブルクの石油施設がドローン攻撃を受託
ウクライナは18日、ロシア北西部のサンクトペテルブルク市内とその周辺にある石油貯蔵施設などをドローンで攻撃した。BBCの報道によると、サンクトペテルブルクのアレクサンドル・ベグロフ知事は、サンクトペテルブルク石油ターミナルとルチイ石油貯蔵所で火災が発生し、市内への攻撃で少なくとも1人が死亡、5人が負傷したと明らかにした。また、ロシアのEC企業オゾンが運営する物流センターや、ソーシャルメディア「フコンタクテ」のデータセンターも標的となり火災が発生した。ロシア国防省は、同日夜間に領空内で1000機以上のウクライナの無人機を撃墜したと主張している。

トランプ政権のエネルギー停戦発表と続くインフラ攻撃
冬を前に両国によるインフラ攻撃が激化する背景には、米国の動きが影響している。JBpressの報道によると、ドナルド・トランプ米大統領は9日にロシア産ディーゼル燃料の輸入合意を発表し、11日にはロシアとウクライナの間で「エネルギー停戦」が成立したと主張した。しかしゼレンスキー大統領は、トランプが停戦を発表して以降、ロシアはウクライナのエネルギー部門を76回攻撃したと非難している。さらにJBpressは、米フロリダ州でウクライナ代表団と面会したジャレッド・クシュナー氏と特使のスティーブ・ウィトコフ氏が、ウクライナが製油所への攻撃を続けるならば米国の武器売却や軍事情報の共有を停止すると警告したと伝えており、米ウ関係の緊張も高まっている。ゼレンスキーは18日、トランプ政権の交渉担当者らと会談したことを明らかにしている。