ネットフリックスは、世界的なスタッフの約6%にあたるおよそ1,000人の人員削減を行うことを明らかにしました。製品開発、テクノロジー、法務、人事の各部門が主な対象となります。
ネットフリックスがグローバルで約1,000人の大規模人員削減に踏み切った背景
共同最高経営責任者(CEO)であるテッド・サランドスとグレッグ・ピーターズは、社員宛ての電子メールを通じて組織変更と人員削減の計画を通知しました。「世界を楽しませる」という野心的な使命を果たすためには、人員とリソースの優先順位付けについて厳格な姿勢で臨む必要があるとして、今回の決断に至った経緯を説明しています。
今回の人員削減規模は、2022年に実施された2度のレイオフで計約450人を削減して以来、最大のものとなります。当時、ネットフリックスは10年以上ぶりとなる四半期ベースの会員数減少を経験し、5月に約150人、6月に約300人を削減していました。今回はそれらを大きく上回る規模でのカットとなります。

Ted Sarandos and Greg Peters, Co-CEOs via CNBC「当社のビジネスは強固で成長を続けており、通期の業績予想の達成に向けて軌道に乗っています」
経営陣は、会社としての事業は順調に成長しており、年間予測の達成に向けて軌道isOnにあるとしつつも、リソースの配分において規律を持つ必要があると強調しています。高影響力を持つ分野への積極的な投資を継続する一方で、厳選した選択を行っていく構えです。
YouTubeとの激しい視聴時間争いと伸び悩むエンゲージメント
堅調な財務実績の一方で、経営陣は視聴者のエンゲージメントの伸び悩みに直面しています。共同CEOのテッド・サランドスは先月のブルームバーグ主催のイベントにおいて、「全体として、期待したほどのスピードで成長していない」と率直に認めていました。

市場調査会社ニールセンのデータによると、7月におけるネットフリックスの米国テレビ視聴時間のシェアは7.8%にとどまり、14.2%を記録したYouTubeのほぼ半分水準となっています。また、今年上半期の総視聴時間の伸びは前年同期比でわずか2%増に留まっており、コンテンツへの巨額投資に対して視聴時間が追いついていない状況が浮き彫りになっています。
さらに、アニメやドラマ制作などのコンテンツ組織やゲーム部門においても構造的な見直しが進められています。ナイト・スクール・スタジオの閉鎖に続き、フィンランド・ヘルシンキに拠点を置くゲームスタジオの閉鎖も決定するなど、事業全体の効率化が急ピッチで進められています。
急増する解約率と迫る第3四半期決算発表
業績面では、売上高が堅調な伸びを示している一方で、コスト管理のプレッシャーが強まっています。4月から6月期の売上高は前年同期比13%増の126億ドルに達したものの、マーケティングや技術開発などの費用は18%増加して約23億ドルとなりました。
| 指標・数値 | 実績値 |
|---|---|
| グローバル従業員の削減割合 | 約6%(約1,000人) |
| 第3四半期のグローバル解約率 | 16.6% |
| 第2四半期のグローバル解約率 | 7.8% |
| 7月の米国テレビ視聴時間シェア | 7.8%(YouTubeは14.2%) |
| 2026年第2四半期売上高 | 126億ドル(13%増) |
こうした経営環境の変化の中で、投資家や市場関係者の視線は、10月20日の市場閉場後に予定されている第3四半期の決算発表に注がれています。今回のコスト削減策が利益率の改善にどう影響するのか、そして広告付きプランやライブ配信、ゲームといった新規事業がどのように成長を牽引していくのかが問われることになります。