デトロイトのキャス・テクニカル高校で10月24日に開催された集会で、元大統領のバラク・オバマ氏は、連邦上院選に立候補しているアブドゥル・エル=サジェド氏への支持を表明し、現政権を批判しました。これはミシガン州の期日前投票初日にあたる動きで、激戦区での支持固めを狙ったものです。
民主党の重鎮であるバラク・オバマ氏は、10月24日にミシガン州デトロイトのキャス・テクニカル高校の体育館および別棟のシアターに集まった数千人の支持者の前に立ちました。ミシガン州の期日前投票初日というタイミングで行われたこの集会には、上院選候補のアブドゥル・エル=サジェド氏に加え、知事選に出馬しているジョセリン・ベンソン州務長官も顔を揃えました。全米の注目が集まる激戦のミシガン州において、民主党側は党内の結束をアピールする形となりました。ミシガン州の民主党関係者によれば、メイン会場と別棟のオーバーフロー空間を合わせて4,350人のミシガン住民が参加しました。
アブドゥル・エル=サジェド氏の上院選と有権者の反応
共和党はミシガン州の上院議席を保持していませんが、今回は下院議員を務めたマイク・ロジャース氏を擁立し、議席の奪還を目指しています。民主党のエル=サジェド氏とロジャース氏は接戦を繰り広げています。10月中旬に実施されたマリスト世論調査では、エル=サジェド氏が50%、ロジャース氏が48%と誤差の範囲内となっています。.
一方で、黒人有権者の間ではエル=サジェド氏への支持をめぐって複雑な空気が流れています。直近の調査では、エル=サジェド氏が黒人票の84%を獲得する一方、ロジャース氏が11%を獲得すると予測されていますが、投票率の低下や共和党への離反が民主党の過半数維持への道を危うくする恐れが指摘されています。投票所に足を運んだデトロイト市民の中には、オバマ氏の応援演説について冷ややかな見方を示す声がある一方、コミュニティのために活動するエル=サジェド氏を高く評価する声もあり、有権者の受け止めは分かれています。
過去の批判とオバマ氏との和解の構図
エル=サジェド氏は過去に、オバマ氏の政策に関して批判的な見解を示したことがあります。2012年の再選時には、オバマ氏について「正しい選択ではなかったが、間違った選択ではなかっただけだ」とハフポスト誌のオピニオン記事に綴っていました。しかし土曜日の夜の集会では、両者はそれぞれの違いを認めつつも、道徳観や理想において結ばれていると強調しました。「目的や目標における意見の不一致は、手段における意見の不一致とは異なる」と双方が語り、共通の価値観を確認しました。

バラク・オバマはガーディアン紙に対し「私たちはあらゆる問題のあらゆる細部において意見が一致することはありません」と述べた。
下院議員のエリッサ・スロトキン氏も集会で登壇し、「バラク・オバマがデトロイトに来るとき、民主党は勝利する」と語り、党の団結を訴えました。また、州務長官のジョセリン・ベンソン氏は、オバマ氏の登場が強力な後押しになると述べました。
トランプ政権への厳しい批判と共和党の反発
デトロイトでの演説で、オバマ氏はトランプ政権に対する激しい批判を展開しました。ガソリン価格の高騰や住宅・医療費の上昇、イランでの不必要な戦争、さらにカナダに対する関税政策などを挙げ、現政権を厳しく非難しました。また、ホワイトハウスの改装やローズガーデンの舗装といった話題にも言及し、会場の笑いを誘いました。

これに対し、共和党全国委員会のスポークスマンであるハンター・ロヴェル氏は、民主党がデトロイトでの支持を立て直すためにオバマ氏を利用しようとしていると非難しました。トランプ前大統領は、翌日にポートヒューロンで共和党の集会を開き、ミシガン州の保守派有権者にアピールする予定となっています。
11月3日の本選挙に向けた情勢
11月3日の一般投票を控え、ミシガン州全域で期日前投票が開始されています。デトロイトをはじめとする各地ではボランティアや著名人が戸別訪問を行い、有権者に行動を呼びかけています。俳優のケリー・ワシントンやアダム・ブロディも同日、デトロイトの市民に投票を促すために連合組織とともに戸別訪問に参加しました。民主党陣営は、オバマ氏の応援を契機として支持層を最大限に動員し、激戦を制したい考えです。
