米司法省は、カリフォルニア州の約2万人の有権者登録情報をめぐり、非市民の投票を防ぐ名目で投票用紙の隔離や身元確認を要求した。これに対し、州当局や地方自治体は「違法な選挙介入であり、市民の投票権を奪う威圧行為だ」と強く反発している。
ドナルド・トランプ政権の司法省は、「オペレーション・プロテクト・ザ・ヴォート(投票保護作戦)」と称する取り組みを始動させ、カリフォルニア州の有権者名簿に非市民や故人が含まれているという主張の裏付けを進めている。連邦当局は、ホームランド・セキュリティ調査局や連邦のパートナー機関が公開の有権者登録記録を分析し、非市民による登録や投票、選挙関連郵便の受領の兆候があるとされる約2万人のリストを作成した。司法省側は、このリストを収めたサムドライブをロサンゼルス郡などの州内各地の選挙事務所に送付し、48時間以内に市民かどうかの確認と該当する投票用紙の隔離を行うよう要求した。
司法省による強制的な身元確認要求と2万人の有権者リスト
さらにトランプ政権側は、連邦機関が非市民と特定した有権者の投票を集計した選挙管理官は、連邦法違反のほう助・教唆に問われ、長期間の禁錮刑に処される可能性があると警告している。トランプ大統領自身も、州の投票プロセスを「不正に操作された」「腐敗した」と非難し、連邦地裁では州に対し問題の投票用紙の集計を差し止めるよう求める訴訟を起こしている。
州当局と地方選管による激しい反発と法的闘争
カリフォルニア州の指導者たちは、こうした連邦政府の強硬姿勢を厳しく批判している。ロブ・ボンタ州司法長官はメディアの取材に対し、司法省の動きを「法律を政治化し、武器化している」と非難した。
ギャビン・ニューサム州知事も自身のソーシャルメディア上で、政権が一度も投票したことのない人々や間違った郡の有権者リストを送りつけてきたと指摘し、「広範な有権者詐欺をでっち上げようと必死になっている」と切り捨てた。また、下院議員のアレックス・パディジャ氏やピート・アギラール氏らも、有権者への威嚇行為は民主主義の土台を揺るがすものであり、州の選挙管理官らを全面的に支持すると表明している。
現場の混乱と選挙事務への影響
ナパ郡の選挙管理責任者ジョン・テューター氏をはじめ、各地の現場責任者たちは突如として突きつけられた48時間の期限と機密情報の提出要求に困惑とフラストレーションを隠せない。多くの郡ではすでに数千人単位の期日前投票や郵送投票の処理が進んでおり、選挙管理事務に深刻な支障をきたす恐れが出ている。

連邦検察側は、指示を無視して非市民の投票を知りながら処理した選挙管理官は刑事責任を問われると警告しているが、州内の各郡は選挙業務を通常通り継続する姿勢を示している。連邦控訴裁判所は、この司法省の要求をめぐる審理を休日を挟んで進める予定であり、中間選挙を目前に控えた司法判断の行方に全国的な注目が集まっている。