ウクライナは17日夜から18日未明にかけてロシアに対し今年最大規模のドローン攻撃を実施し、主要な石油ターミナルを攻撃した。.
サンクトペテルブルクの石油ターミナルを標的に
ウクライナ軍による大規模なドローン攻撃は、ロシア各地のエネルギー関連施設を標的とした。ロシア国防省の発表によると、18日未明までに国内各地で計1015機のドローンが撃墜された。攻撃対象の一つとなったサンクトペテルブルクの石油ターミナルは、年間最大1250万トンの石油を扱う重要拠点である。攻撃を実行したドローン製造企業は、施設内で火災が発生したことを認めた。また、サンクトペテルブルク市内の物流センターや、SNS「フコンタクテ」のデータセンターも被弾した。地元当局によれば、一連の攻撃で1人が死亡し、5人が負傷したほか、住宅にも被害が出ている。
トランプ氏の意向とウクライナの軍事行動
今回の攻撃は、ウクライナとトランプ次期米政権との間で摩擦が強まる中で行われた。トランプ氏は先週、ウクライナによるロシアの製油所攻撃を「恥ずべき行為」と非難し、エネルギー施設への攻撃停止を強く求めていた。ゼレンスキー大統領は米NBCの番組で、米国がロシア側につくことは「歴史的な過ち」になると反論している。一方でゼレンスキー氏は、和平に向けた「継続的な意思疎通」として、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏らと協議したことを18日に明かした。ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)で、米国が強い立場を維持し、和平に近づくよう尽力していると主張している。
激化する報復攻撃とエネルギー施設の被害
ウクライナ側もロシアによる大規模な反撃にさらされている。ウクライナ当局によると、18日午前までの24時間に、ロシア軍のミサイルやドローン攻撃により国内で11人が死亡、約50人が負傷した。南部オデーサ州のエネルギー施設も大規模な攻撃を受けた。ゼレンスキー氏は、トランプ氏が1週間前にエネルギー分野での「停戦」を表明して以降、ロシアがウクライナのエネルギー関連施設を意図的に76回攻撃したと指摘している。
ウクライナ側が公表した対立の現状に関し、ウクライナの情報筋は首都キーウへの弾道ミサイル攻撃についてこの1週間で3度目の事前警告がなかったと明らかにし、ゼレンスキー氏は短距離ドローンや戦場用ドローンの誘導に利用する衛星通信サービス「スターリンク」へのアクセスが制限されていることや、弾道ミサイル攻撃の最中に米国からの情報共有が3日間遮断されたことを指摘している。
揺れる米ウ関係と今後の見通し
トランプ氏はロシア産ディーゼル燃料の制裁免除や、米議会が義務付けた経済制裁からのロシア除外措置を発動しており、共和党内からも懸念の声が上がっている。ゼレンスキー氏は、トランプ氏がプーチン大統領に対して厳しい態度をとるよう期待を寄せている。トランプ氏は自身がウクライナの盟友かと問われ「そう願っている」と回答した。ウクライナにとって米国からの情報共有や技術支援は防衛上の生命線であり、今後の対米交渉の行方が、ロシアによる執拗なインフラ攻撃に対する防御能力を左右することになる。