ウクライナ警察は23日、ロシアの治安機関と共謀し、毒物を混入した小包をウクライナ兵に送りつけ、2人を死亡させた疑いで17歳の少女を拘束したと発表した。少女は報酬と引き換えに犯行に及んだとされ、警察は他にも被害を未然に防いだとしている。
17歳の少女を拘束、兵士2人が死亡
ウクライナ警察は、ロシア側の指示を受けて毒物を送付したとして、17歳の少女をジトーミルで拘束した。警察の発表によると、少女は通信アプリ「テレグラム」を通じてロシア側の担当者から指示を受け、致死性の薬物を小包に詰めて兵士らに送付していた。この小包を受け取ったジトーミル州の兵士2人が、薬物中毒により死亡したことが確認されている。
報酬と引き換えの犯行
警察の捜査により、少女はロシア側の担当者から少なくとも5000フリブニャ(約1万7000円)の報酬を受け取る約束で犯行に及んだ疑いがある。兵士らには「無料の薬」として小包が送られ、服用する様子を撮影するよう指示が出されていた。警察は「受取人は、カプセルに致死量のメサドンが入っていることを知らなかった」と説明している。
警察はさらなる被害を阻止
ウクライナ警察は、小包を受け取った他の人物も特定済みであり、今回の摘発によってウクライナ各地で「さらに4人が殺されるのを防いだ」と発表した。警察は、ロシア側がウクライナの兵士を殺害するだけでなく、国内の情勢を不安定化させることを狙っていると強く警告している。
- 容疑:計画的な殺人のほう助、および薬物・向精神薬の発送
- 想定される刑罰:有罪の場合、15年以下の拘禁刑の可能性
当局が市民に注意を呼びかけ
今回の事件を受け、当局は市民に対して注意を促している。「よく知らない人物から、出所の疑わしい医薬品やその他の物質、飲食物を受け取らないでほしい」との声明が出された。ウクライナ当局によると、2022年のロシアによる全面侵攻開始以降、敵国への協力をめぐる捜査は数千件にのぼっており、ロシア政府のために活動した疑いのある人物が繰り返し逮捕されている。
続く破壊工作と司法手続き
ウクライナとロシアは、互いに未成年者を利用した破壊工作や毒殺に関与しているとして非難し合っている。今回拘束された少女に対する司法手続きが進められる見通しだが、戦時下でのこうした工作活動の実態や、組織的な関与の全容解明が今後の焦点となる。当局は引き続き、ロシア側の工作員や協力者の摘発を強化する方針だ。