イランの首都テヘランで2026年10月21日、ドナルド・トランプ米大統領に扮した俳優が実物大の独房に閉じ込められるプロパガンダ展示が始まった。AFPBB Newsなどの報道によると、タジリシュ広場に設置された立体アート作品は連日多くの通行人の注目を集め、怒りや冗談など様々な反応を引き起こしている。
タジリシュ広場に登場した実物大の独房とトランプ大統領のパフォーマンス
テヘラン北部の高級住宅街に位置するタジリシュ広場には、地上数階分の高さにつり下げられた実物大の独房が設置された。独房の中では、濃い色のスーツに赤いネクタイを着用した俳優がトランプ氏に似せた特殊マスクをかぶり、歩き回ったり鉄格子を握り締めたりしている。近くのスクリーンからは、米国の戦争犯罪を非難するメッセージが流れている。AFPBB Newsの報道では、この立体アート作品が地元住民の間で人気を集め、通行人が自撮りをしたり罵声を浴びせたりする姿が見られると伝えられている。AP通信を引用したYahoo!ニュースの報道では、看板の光景が現実のものになることを願う市民の声や、政府支持者らがほぼ毎日反米集会を開いている現地の様子が詳細に報じられている。
戦争開始以降続くイラン当局のプロパガンダ強化と戦争犯罪の非難
このキャンペーンを企画したテヘラン市当局は、イランが正義の実現を求めていることを市民に改めて認識してもらいたいと説明している。2月に発生した米国とイスラエルによる攻撃で戦争が始まって以来、イランはプロパガンダ活動を強めている。AFPBB Newsによると、この攻撃では前最高指導者のアリ・ハメネイ師が死亡しており、イランはトランプ氏を戦争犯罪人と位置付けて報復を呼び掛けている。トランプ氏が学校や結婚式の会場などの民間施設を意図的に標的とし、女性や子どもを殺害したとイラン側は主張している。Yahoo!ニュースの報道によると、独房のデザインの看板の横には「この光景を見ないことは罪である」というスローガンが掲げられている。また、9月上旬にイラン南部の町シリックで行われた結婚式に対する米国の攻撃を思い起こさせるスローガンも添えられている。
展示に対する市民の複雑な反応と現場での過激なやり取り
タジリシュ広場を訪れる市民の反応は様々であり、展示を面白がる人と怒りをぶつける人が混在している。AFPBB Newsの報道によると、ある通行人は独房の中の「トランプ氏」に向かって「心配するな。保釈金を払って出してやるよ!」と冗談を飛ばした。一方で、ある10代の若者は「トランプ, 今度こそおまえを殺してやる!」と怒りをあらわにして叫んだ。またYahoo!ニュースの取材に対し、テヘラン市民のファルザネ・アラブザデは「このような光景をすぐに現実で見られることを願っている」と語り、トランプ氏が国民をより悪い状況に追い込んだと非難している。イラン当局に近いメディアによれば、今回のプロパガンダ展示は年中無休で24時間見られるよう設計されており、首都における反米感情の象徴的な光景となっている。
攻撃再開の憶測が飛び交う中で続く宣伝パフォーマンスの行方
攻撃再開の可能性や戦争終結に向けた地域的努力についての憶測が飛び交う中、今回の見世物はイランの強硬派による最新の宣伝パフォーマンスとして位置付けられている。Yahoo!ニュースが伝える通り、この動きは2月の空爆に対する訴追と報復を求める呼びかけの一環と見なされている。現地での反米集会やネット上で話題となるアート作品を通じて、当局は市民に対して強硬姿勢をアピールし続けている。年中無休で24時間稼働するこの独房展示が、今後の地域情勢や市民の意識にどのような影響を与えるのかは引き続き注目される。