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PS1のホラーアドベンチャー『公開されなかった手記』が持つ異質な魅力とは

1997年1月17日にサンソフトからプレイステーション向けに発売されたホラーアドベンチャーゲーム『公開されなかった手記』は、一人称視点と独自のシステムで当時のサバイバルホラーとは異なるアプローチを採っていた。Game*Sparkが報じた。 一人称視点が生む不鮮明さと洋館の探索 『公開されなかった手記』は、フリーのオカルト記者・新堂一哉が相棒の神矢千里とともにヨーロッパの古びた洋館を訪れる3Dアドベンチャーゲームだ。ゲームは固定カメラではなく一人称視点を採用しており、プレイヤーは主人公の視界そのものを担って廊下や部屋を調べる。PS1の粗いポリゴンと低解像度の画面により遠くの物体は輪郭が曖昧になり、廊下の奥に何があるのかすぐに判断できない不鮮明さが不安を生む。一方で、戦闘では小型の敵に照準を合わせにくいなど操作性の悪さも目立ち、洗練されていない弱点が逆にプレイヤーの焦りにつながっていた。 ショートカットを活用するコマンドシステム 本作では、「開ける」「調べる」といった行動や猟銃、所持アイテムをL1やR1などの肩ボタンへ割り当てられる。扉は近づくだけでは開かずコマンドの実行が必要であり、怪しい家具や落ちている物を見つければ「調べる」を選ぶ。暗い場所では十分に調査できないため、カーテンを開けたりランタンに火を灯したりして明るさを確保しなければならない。見る、近づく、明るくする、適切なコマンドを使うという一連の手順を自ら行うことで、実際に調査しているような独特の探索感が生まれていた。 光と闇の環境操作が左右するゲーム進行 探索エリアにおける明るさはゲームの進行を大きく左右する要素となっている。館内には暗い場所が多く、窓やカーテンを操作して外光を入れたり、ランタンに火を灯したり、暖炉を利用したりしてようやくアイテムを拾ったり仕掛けを調査したりできる。一方で、序盤の部屋ではあえてカーテンを閉じランプを消すことで絵画にヒントが現れる場面もあり、暗闇そのものが謎解きの条件になる。マッチやオイルといった物資の用意が必要でテンポは悪いが、環境の操作まで探索に組み込んだ点に本作の独自性がある。 体力と視界を結びつけた異色のまぶたシステム 画面上に体力ゲージが表示されない代わりに、画面の上下にまぶたが配置されている。ダメージを受けたり恐怖を感じたりするとまぶたが徐々に閉じていき視界が狭くなり、完全に閉じるとゲームオーバーになる仕様だ。薄暗い洋館の探索で敵を見失いやすい一人称視点と非常に相性が良く、体力の残りを数字ではなく見える範囲の奪取によって直感的に伝えるホラー表現となっている。 拠点となる町と危険な洋館を往復する構成 危険な洋館から町へ戻れば、物資の売買や休息、セーブが可能となる。弾薬や回復アイテムを購入して冒険に備え、再びその先のエリアへ向かう設計だ。『バイオハザード』のように消費アイテムをその場で拾うのではなく、安全な拠点を足場にして危険地帯へ遠征するRPG的な感覚に近い構造が、探索に独特の冒険感を加えている。 『バイオハザード』とは異なるアプローチの行方 1996年3月22日に発売された『バイオハザード』と同じ洋館ホラーの系譜にありながら、本作は異なる方法で恐怖を作ろうとした。独特の操作や光源管理の煩雑さなど現在では遊びにくく感じる部分もあるが、プレイヤーの視界と主人公の置かれた状況を直結させようとした試みは、PS1黎明期ならではの挑戦である。約30年を経た今も、その異質な魅力は色褪せない。

PS1のホラーアドベンチャー『公開されなかった手記』が持つ異質な魅力とは

1997年1月17日にサンソフトからプレイステーション向けに発売されたホラーアドベンチャーゲーム『公開されなかった手記』は、一人称視点と独自のシステムで当時のサバイバルホラーとは異なるアプローチを採っていた。Game*Sparkが報じた。

一人称視点が生む不鮮明さと洋館の探索

『公開されなかった手記』は、フリーのオカルト記者・新堂一哉が相棒の神矢千里とともにヨーロッパの古びた洋館を訪れる3Dアドベンチャーゲームだ。ゲームは固定カメラではなく一人称視点を採用しており、プレイヤーは主人公の視界そのものを担って廊下や部屋を調べる。PS1の粗いポリゴンと低解像度の画面により遠くの物体は輪郭が曖昧になり、廊下の奥に何があるのかすぐに判断できない不鮮明さが不安を生む。一方で、戦闘では小型の敵に照準を合わせにくいなど操作性の悪さも目立ち、洗練されていない弱点が逆にプレイヤーの焦りにつながっていた。

ショートカットを活用するコマンドシステム

本作では、「開ける」「調べる」といった行動や猟銃、所持アイテムをL1やR1などの肩ボタンへ割り当てられる。扉は近づくだけでは開かずコマンドの実行が必要であり、怪しい家具や落ちている物を見つければ「調べる」を選ぶ。暗い場所では十分に調査できないため、カーテンを開けたりランタンに火を灯したりして明るさを確保しなければならない。見る、近づく、明るくする、適切なコマンドを使うという一連の手順を自ら行うことで、実際に調査しているような独特の探索感が生まれていた。

光と闇の環境操作が左右するゲーム進行

探索エリアにおける明るさはゲームの進行を大きく左右する要素となっている。館内には暗い場所が多く、窓やカーテンを操作して外光を入れたり、ランタンに火を灯したり、暖炉を利用したりしてようやくアイテムを拾ったり仕掛けを調査したりできる。一方で、序盤の部屋ではあえてカーテンを閉じランプを消すことで絵画にヒントが現れる場面もあり、暗闇そのものが謎解きの条件になる。マッチやオイルといった物資の用意が必要でテンポは悪いが、環境の操作まで探索に組み込んだ点に本作の独自性がある。

体力と視界を結びつけた異色のまぶたシステム

画面上に体力ゲージが表示されない代わりに、画面の上下にまぶたが配置されている。ダメージを受けたり恐怖を感じたりするとまぶたが徐々に閉じていき視界が狭くなり、完全に閉じるとゲームオーバーになる仕様だ。薄暗い洋館の探索で敵を見失いやすい一人称視点と非常に相性が良く、体力の残りを数字ではなく見える範囲の奪取によって直感的に伝えるホラー表現となっている。

拠点となる町と危険な洋館を往復する構成

危険な洋館から町へ戻れば、物資の売買や休息、セーブが可能となる。弾薬や回復アイテムを購入して冒険に備え、再びその先のエリアへ向かう設計だ。『バイオハザード』のように消費アイテムをその場で拾うのではなく、安全な拠点を足場にして危険地帯へ遠征するRPG的な感覚に近い構造が、探索に独特の冒険感を加えている。

『バイオハザード』とは異なるアプローチの行方

1996年3月22日に発売された『バイオハザード』と同じ洋館ホラーの系譜にありながら、本作は異なる方法で恐怖を作ろうとした。独特の操作や光源管理の煩雑さなど現在では遊びにくく感じる部分もあるが、プレイヤーの視界と主人公の置かれた状況を直結させようとした試みは、PS1黎明期ならではの挑戦である。約30年を経た今も、その異質な魅力は色褪せない。

執筆者について: nipponese

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