イランとオマーンの両国は、ホルムズ海峡における「共同の一時的な航行回廊」の設置について協議し、同海域から機雷を除去することで合意した。この動きにより、約6カ月にわたって原油市場を混乱させ、世界的なインフレ懸念を増幅させてきた紛争の打開への期待が高まっている。この影響を受け、水曜日のブレント原油先物は3日連続で下落し、約3%安の1バレル=85.95ドルまで値を下げた。また、他の市場指標では原油価格が1バレルあたり約85ドル付近まで急落している。
ホルムズ海峡の現状と航行再開への期待
今回の航行回廊の協議と機雷除去への合意により、原油の出荷が再開されるとの期待が広がっている。シティ・インデックスのシニア・マーケット・アナリストであるフィオナ・シンコッタ氏は、インフレ圧力が大幅に冷却しているという考えをより確信するためには、実際にホルムズ海峡を交通が移動するのを見る必要があると指摘している。
エネルギー価格の下落が金融市場に与える影響
原油価格の下落は、インフレ懸念の緩和につながり、国債市場をサポートする要因となった。米国債の10年物利回りは、原油価格の下落に伴い約7ベーシスポイント(bps)低下した。また、世界株指数(MSCI World Index)は0.1%上昇し、欧州のベンチマークであるSTOXX 600は1週間以上の高値を記録した。
一方で、地政学的なリスクは依然として複雑である。未確認のメディア報道によれば、米国とイランが停戦合意に達した可能性があり、数日以内に正式な発表が行われる可能性があるとされる。その一方で、トランプ政権はイランとの取引を続ける国や企業に対し、経済制裁を科す可能性があると警告しており、財務長官のスコット・ベセント氏はこれを「経済的なD-デイ」と表現している。
米国の経済指標と主要企業の動向
市場の関心は、原油価格以外にも米国のインフレデータとAI関連企業の業績に集中している。投資家は、連邦準備制度理事会(FRB)が好むインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の発表を待っている。CMEグループのFedWatchツールによると、9月に少なくとも25ベーシスポイントの利上げが行われる確率は、今月初めの約67%から36%に低下した。ただし、年内には利上げが行われるとの予想が依然として根強い。

主要資産の価格推移
原油価格の下落と並行して、貴金属や暗号資産などの資産価格は以下の通りとなっている。

| 資産 | 価格/水準 | 備考 |
|---|---|---|
| ブレント原油 | 85.95ドル | 水曜日に約3%下落 |
| スポット金 | 4,618.95ドル | 3カ月高に近い水準 |
| ビットコイン | 78,000~79,000ドル | レンジ内で推移 |
今後の注目点として、今週後半に予定されているジャクソンホール会議でのケビン・ウォーシュFRB議長の演説が挙げられる。市場は、同氏が今後の金融政策についてどのような視点を提示するかに注目している。