米国政府は2026年8月21日、コロラド川の深刻な干ばつに対処するため、カリフォルニア、ネバダ、アリゾナの3州に対する2027年・2028年の水供給量を約21%削減する計画を最終決定した。この連邦政府の介入は、7州間の交渉決裂を受けた措置であり、将来的なさらなる削減も示唆されている。
2027年から2028年に向けた水供給削減計画
米国内務省のダグ・バーガム長官が署名した新たな10年計画に基づき、コロラド川下流域の3州は、2027年と2028年の年間水供給量を合計で160万エーカーフィート削減することとなった。この削減幅は、現在の使用量から約21%の減少に相当する。今回の措置は、5月1日に下流域の各州が提案した内容に沿ったものである。
一方で、コロラド、ユタ、ニューメキシコ、ワイオミングの「上流域」4州については、今回の計画において強制的な削減は課されていない。連邦政府による介入は、川の利用方法を巡る両流域の州間の交渉が3年間にわたり難航し、最終的な合意に至らなかったために実施された。
アリゾナ州とカリフォルニア州の反応と法的リスク
アリゾナ州のケイティ・ホブス知事は、連邦政府が下流域の提案を採用したことを一定程度評価しつつも、同州が本来受け取る権利のある水量が確保されていないと批判した。ホブス知事は、上流域の州が削減交渉に応じない姿勢を「無謀」と断じ、次のように述べている。
「アリゾナ州は、法的手段を用いて我々の水を守る準備ができており、権利を守るために一歩も引くつもりはない」 ケイティ・ホブス、アリゾナ州知事
また、アリゾナ州の交渉担当者であるトム・バシャツケ氏は、今後の運用ガイドライン策定プロセスにおける協議が重要であると指摘した。一方で、アリゾナ州立大学カイル・センター・フォー・ウォーター・ポリシーのサラ・ポーター所長は、2029年から2036年にかけての計画を巡り、アリゾナ州が連邦政府を提訴する可能性は依然として高いと分析している。同氏によれば、アリゾナ州は、貯水池の水位低下時に連邦政府が下流域にのみ強制的な削減を課し、上流域には適用しないという連邦開墾局の判断に対して強い懸念を抱いている。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、全7州が責任を分担する必要性を強調した。
「この運用計画は短期的な安定をもたらすに過ぎない。長期的な解決策には、コロラド川の新たな現実を認識し、7州すべてで公平に責任を分担することが不可欠だ」 ギャビン・ニューサム、カリフォルニア州知事
2029年以降の削減拡大と予見される影響
今回の連邦計画は、2028年以降の状況次第で削減量が大幅に拡大する可能性を内包している。連邦開墾局の提案によれば、貯水池の水位を維持するために必要と判断された場合、年間削減量は最大で300万エーカーフィート(約1300億立方フィート)に達する可能性がある。この量は、アリゾナ州とネバダ州が受け取る合計水量を上回り、2500万人以上の生活を支える規模に匹敵する。
専門家らは、こうした大幅な削減が実施された場合、農業、都市生活、先住民族のコミュニティに多大な影響が及ぶと警告している。具体的には、水道料金の上昇、地下水への依存拡大、農地の休耕などが想定されている。ダグ・バーガム内務長官は、この提案の目的について次のように述べた。
「内務省には、コロラド川システムが、それを頼りにしている何百万人ものアメリカ人、コミュニティ、そして産業にとって、信頼でき、回復力のあるものであり続けるようにする責任がある」 ダグ・バーガム、米内務長官
枯渇する主要貯水池と今後の監視体制
コロラド川の健康状態を左右するパウエル湖とミード湖は、現在、観測史上最低水準にある。パウエル湖の水位は、水力発電所を稼働させるために必要な最低水準をわずか30フィート上回る地点まで低下している。この状況は、1922年に締結された当初の協定が、気候変動や長期的な干ばつ、過剰な水利用という現代の現実に追いついていないことを浮き彫りにしている。

連邦政府の今回の計画は2年ごとに見直しが行われる予定であり、今後の水資源管理は、気候状況と各州間の合意形成能力に大きく左右されることになる。下流域の各州は、今後も連邦政府との協議を通じて、法的権利の保護と地域経済の安定維持という困難なバランスを迫られることになる。