米国連邦政府は、深刻な水不足に直面するコロラド川の管理に関する新たな戦略を発表した。この計画では、下流域のアリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州の3州に対し、水文学的状況に応じて2036年まで年間最大300万エーカーフィートの取水削減を求める可能性があるとしている。これは3州の合計割当量の最大40%に相当し、年間2,500万人以上に供給可能な水量に匹敵する。
2027年・2028年に向けた具体的削減量
連邦政府が発表した2027年から2028年にかけての短期的な戦略では、3州への水供給を毎年合計125万エーカーフィート削減する。州別の削減量は以下の通りである。
- アリゾナ州: 年間76万エーカーフィート(最大の削減幅)
- カリフォルニア州: 年間44万エーカーフィート
- ネバダ州: 年間5万エーカーフィート
さらに、3州は2年間で合計少なくとも70万エーカーフィートの追加的な自主削減を行うことで合意している。アリゾナ州水資源局によると、1エーカーフィートはフェニックス地域における3世帯の1年分供給量に相当する。
10年間の管理枠組みと柔軟な運用
トランプ政権が提示したこの10年計画では、2年ごとに水管理の決定を下す枠組みが導入される。内務省のダグ・バーガム長官は、この枠組みが変化する水文学的条件に対応する柔軟性を提供し、流域諸州が持続可能で合意に基づいた解決策に向けて取り組み続ける機会を維持すると述べた。

この計画には、流域で2番目に大きな貯水池であるパウエル湖から年間500万から1,200万エーカーフィートの放流を可能にする内容が含まれている。一方、コロラド州、ユタ州、ニューメキシコ州、ワイオミング州の4つの上流域諸州については、現時点では強制的な削減の対象から除外されている。
記録的な貯水量の低下とインフラへの影響
今回の措置は、気候変動による深刻な干ばつと数十年にわたる過剰利用により、主要な貯水池が記録的な低水準に達したことを受けたものである。アリゾナ州とネバダ州の境界にあるミード湖は、約90年前に満水になって以来、最低の水位まで低下した。

連邦政府の予測では、パウエル湖の水位が年末までに、近隣のグレンキャニオン・ダムのタービンを回転させられないレベルまで低下する可能性がある。これらのタービンは、地域の家庭、企業、灌漑システムに電力を供給している。
州政府の反発と法的リスク
連邦政府の計画に対し、アリゾナ州の指導者らは強い反対を示している。アリゾナ州水資源局のトム・ブシュチャツケ局長は、連邦政府が10年間にわたり2年ごとに壊滅的な削減を含む幅広い選択肢から裁量で決定できる枠組みを受け入れられないと述べ、1922年のコロラド川協定に準拠していないと主張している。

アリゾナ州は、この強制的な削減が州に損害を与えると警告しており、連邦政府を提訴する可能性を示唆している。一方、カリフォルニア州当局はこの計画を重要な節目としつつも、最終的なゴールではないとの見解を示し、ネバダ州知事は提案された削減量を非現実的で壊滅的であると批判している。
地域経済および住民への影響
コロラド川は、米国の7州に住む4,000万人以上の住民、複数の部族国家、メキシコ、そして農業や産業を支える重要な水源となっている。特に南カリフォルニアとアリゾナ州ユマの農家は、北米の冬の葉菜類の大部分を生産している。
- 水価格の上昇
- 地下水への依存度の増加
- 農地の休耕(作付けの中止)
- これまで存在しなかった地域での節水義務付け
ただし、中央アリゾナの水道事業者は、数年前から削減を予測して代替水源の確保などの対策を講じてきたため、多くの都市住民は直接的な変化に気づかない可能性があるとしている。