高市早苗首相が国会審議で自身の日常について「男性首相よりは3、4時間、余分に時間を使っているかもしれない」と述べた発言をめぐり、10月15日、政治家や議員から批判や疑問の声が相次いで上がっている。
国会改革の最中に飛び出した「女性首相」発言
10月14日に開かれた衆院予算委員会で、高市早苗首相は日本維新の会の藤田文武共同代表と国会出席を巡り議論を行った。その中で、国会から出席の要請があれば誠実に答弁するという従来の方針を明言した。しかしその議論の最中、sankei.comなどの報道によると、首相は自身の日常として入浴や化粧などを理由に「男性首相よりは3、4時間、余分に時間を使っているかもしれない」と述べた。この発言は、国会改革の本質や内閣総理大臣としての環境整備に関する議論の途中で飛び出したものであり、各方面に波紋を広げている。週刊女性PRIMEの報道によれば、この主張に対して閣僚席や議員席からは笑いが起きたとされるが、その真意や発言の適切さを巡り論争が巻き起こっている。
立憲民主党・蓮舫氏がXで不快感を表明
立憲民主党の蓮舫参院議員は15日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、高市首相の発言に対して真っ向から異を唱えた。蓮舫氏は、「男性総理より3〜4余分に時間を使っているのが家事、炊事、身支度等との答弁、とても残念に思います」と投稿したとsankei.comは伝えている。さらに、スイスのシンクタンクである世界経済フォーラム(WEF)が発表した2026年版の「男女格差(ジェンダー・ギャップ)報告」において、女性首相が誕生したにもかかわらず日本が145カ国中117位にとどまったことに言及した。蓮舫氏はその上で、「国会改革の本質に迫る前に、総理自身がジェンダーギャップの解消に努めてほしいです」と厳しくつづり、首相の認識に疑問を呈している。
元議員の山尾志桜里氏「個体差の時代」と疑問視
元衆院議員で弁護士の山尾志桜里氏も15日にXを投稿し、高市首相の発言に言及した。sankei.comの報道によると、山尾氏は「もはや身だしなみも個体差の時代。あえて男女差を理由にしなくていいのでは?」と疑問を呈したうえで、「そもそも国会質疑の場を和ますアイスブレイクは極力少な目でお願いしたい」と首相の答弁姿勢に対して注文を付けている。日々の身だしなみや時間をめぐる問題意識は人それぞれであり、それをあえて男女の差として総理大臣の立場から語ることへの違和感が、法律家の視点からも指摘される形となった。
週刊女性PRIMEが報じた「言い訳」への批判
週刊女性PRIMEの報道では、こうした発言の背景や世間の受け止め方についてさらに踏み込んで伝えている。第二次高市内閣を巡っては、政治資金パーティーの裏金事件に関与していた簗和生農林水産大臣が不適切発言によって発足から1か月足らずで辞任するという騒動が起きたばかりであった。同誌の報道によれば、14日の国会では簗氏に関する質問が投げかけられる一方、高市首相が「私が男性総理ではなく女性総理であるということに、そこに座っている首相秘書官たちも、なかなか慣れてくれてなくて」と述べたことや、メイクや朝食の支度を理由に挙げたことが報じられている。同誌は、睡眠時間が足りないと訴えたこともある首相が日々の負担を「女性であること」を理由に持ち出すのは悪手であり、「世の働く女性や日々の舵を担う人も、毎日せわしない日々を送っている。そうした日常の負担を総理という立場の人が言い訳のように口にするのはピントがずれている」という政治部記者の見解を伝えている。
与野党や国民の間で続く環境整備の議論
高市首相は14日の衆院予算委員会において、「私個人の問題というよりは、日本国の内閣総理大臣がさまざまな仕事に取り組むための環境をどう整えていけばいいのかというのは、与野党や国民の皆さまとともに考えていきたい」とも語っている。日々のスケジュール管理や私生活にかける時間を巡る発言は、単なる個人の日常の吐露にとどまらず、多忙を極める最高権力者の執務環境やジェンダー平等のあり方についての議論を呼び起こした。一連の発言に対する批判や擁護の声が交錯する中、政治家としての発言のあり方や、日本が抱える根深いジェンダー・ギャップの解消に向けて、今後は与野党を巻き込んださらなる議論が求められることになりそうだ。
