中国の習近平国家主席をめぐり、健康不安説が国際的に浮上している。9月のBRICS首脳会議での意識喪失情報や、その後の外遊先での不自然な動作が注目を集める中、軍事問題研究家の田中三郎氏は、10月の5中全会が今後の権力基盤を占う鍵になると指摘した。
習近平氏の健康不安説とBRICS会議での異変
中国軍事問題の研究家である田中三郎氏は、インドのニューデリーで開催された第18回BRICS首脳会議における習近平国家主席の様子について、異変があったと指摘しており、会議の第1セッション中に習主席が約30秒間意識を喪失していたとの情報が流れたほか、北京帰還時に姿が確認されなかったことや、晩餐会を体調不良で欠席したことなどが報じられた。.
米訪問時に見られた身体的な違和感
9月23日、習主席はアメリカのワシントン郊外のアンドルーズ統合基地に到着した。一部メディアはこれを健康不安説を否定する材料と報じたが、現地での様子からは依然として懸念が払拭されていない。
イギリスのインディペンデント紙は、習主席が手すりと彭麗媛夫人の手を握りながらタラップを降りた様子を報じ、健康状態への疑義を呈した。田中三郎氏は、この時の習主席の動作について「身体のバランスを取るのに苦労しているように見えた」と分析する。また、最近の軍事パレードでも兵士への敬礼を行わない場面が見られ、腕の動かしにくさや体調の影響が推測されている。

ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた中国側の要求
習主席の体調については、訪米時の中国側からの要求事項からもその深刻さがうかがえる。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国側は以下の対応を求めたとされる。
- 習主席の休憩時間を十分に確保すること
- ホワイトハウス内に専用の休憩室を用意し、習主席と彭麗媛夫人以外の立ち入りを禁止すること
- 24日に予定されていた昼食会を中止すること
田中氏は、来年6月で74歳になる習主席にとって持病があるのは当然とした上で、健康状態が今後の権力闘争の行方を左右する可能性があるとの見方を示した。.
任期制限撤廃という「危険な賭け」
習主席が2018年に国家主席の任期制限を撤廃したことは、党内でもリスクの高い決断と受け止められている。1982年憲法では文化大革命の反省から、国家主席の任期を「1期5年、連続2期10年まで」と定めていた。本来であれば2023年に引退すべきところ、習主席はこれを撤廃し、2023年の全国人民代表大会で3期目の選出を果たした。
田中氏は、後継者を指名して引退後に院政を敷く方が、終身独裁を目指すよりも安全な権力維持が可能だったと指摘する。習主席が前例を覆してまで終身独裁に固執する背景には、ロシアのプーチン大統領への強い憧れがあると専門家らは分析している。
10月開催の5中全会が占う今後の権力構造
今後の焦点は、10月26日から29日まで北京で開催予定の5中全会(党中央委員会第5回全体会議)と、来年秋の党大会に集約される。田中氏は、習主席の強権的な姿勢が党内に多くの「敵」を作っていると分析しており、今回の会議で融和的な姿勢を示すのか、さらなる引き締めを図るのかが注目される。
習主席が健康な状態で会議に出席できるかどうかも、今後の権力闘争を左右する重大な変数となる。田中氏は「もし彼が元気な姿で出席したのなら、激しい権力闘争が繰り広げられる可能性がある」と述べ、中国共産党内の不穏な空気について警鐘を鳴らした。