26日の米国株式市場でNYダウは146.42ドル高の5万2361.58ドルと反発した。AI開発のアンソロピックがIPOに向けた目論見書を公表したことを受け、AI関連株への買いが広がった。ウェルスアドバイザー社およびロイターによると、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も上昇した。
アンソロピックのIPO申請がAI関連株を押し上げ
26日の米国市場では、人工知能(AI)開発を手掛けるアンソロピックが新規株式公開(IPO)に向けた目論見書を公表したことが市場の関心を集めた。この動きを受け、AI関連銘柄への買いが活発化し、ナスダック総合指数は0.82%上昇した。ロイターによると、半導体株指数は3営業日続伸しており、ここ数週間で大きく売り込まれていた銘柄に安心感からの買い戻しが入る「リリーフラリー」の様相を呈している。ホライズン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は、アンソロピックのニュースがAI関連株、特に半導体株に追い風となったとの見方を示した。
ボーイングやUPSの決算が市場の明暗を分ける
個別銘柄では決算発表の内容が株価を大きく左右した。航空機大手ボーイングは、7─9月期の調整後損益が市場予想を大幅に下回る赤字となったことで、株価が10.7%急落した。一方で、物流大手のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は通期の売上高と利益の見通しを引き上げたことが好感され、5.8%高となった。また、クルーズ船運航のロイヤル・カリビアンも通期利益見通しの上方修正を背景に5.5%上昇している。S&P500種構成銘柄では、情報技術セクターが上昇率でトップとなった一方、中東情勢の緊張緩和への期待から原油先物価格が下落し、エネルギーセクターが最大の下落率を記録した。

FOMC開催と重要経済指標の発表を控えた様子見
27日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の日程で始まり、政策金利の据え置きが広く織り込まれている。市場では28日の結果発表を前に様子見ムードが強まっており、方向感に乏しい展開が予想される。また、米経済指標の発表が相次ぐ見通しだ。主な予定は以下の通りである。
- 米9月耐久財受注
- 米8月FHFA(米連邦住宅金融庁)住宅価格指数
- 米8月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数
- 米9月新築住宅販売件数
- 米10月CB消費者信頼感指数
東京市場におけるAI・半導体関連株の動向
27日の東京株式市場では、前日の米国市場の流れを引き継ぎ、AIや半導体関連株が買われ、日経平均株価は堅調に推移した。今後の焦点は、この買い戻しの流れが米国市場で持続するかという点にある。ロイターによると、メタ・プラットフォームズはAI事業拡大の資金確保を目的とした株式発行による資金調達額を975億ドルに引き上げたが、株価は1.6%下落した。市場参加者は、アルファベットやマイクロソフトといった主要ハイテク企業の決算発表を控えており、AI投資の採算性を慎重に見極めようとしている。
今後の相場展望と注目イベント
米国市場では、今後も主要企業の決算発表が相場の波乱要因となりそうだ。28日にはアルファベットやマイクロソフトの決算発表が予定されており、AI分野への巨額投資が収益にどう結びついているのか、投資家の厳しい目が向けられることになる。また、原油先物価格は時間外取引で上値の重い動きが続いており、中東情勢を巡る警戒感が和らげば株式相場の支えとなる可能性がある。FOMCの結果発表や米国の住宅関連指標、さらにはビザなど個別企業の決算内容を総合し、市場は次なる方向性を探る展開が続く見通しだ。