2030年度以降に小中高で導入されるデジタル教科書のあり方を示す文部科学省の「大臣指針」素案が17日に判明した。新たな教科書は紙を中心とし、デジタルは補助的・補完的な位置付けとなることが yomiuri.co.jp により報じられた。
2030年度以降の教科書は紙中心のハイブリッド形態へ
2030年度以降の教科書は「紙とデジタルのハイブリッド」「完全デジタル」「紙のみ」の3形態となる。新たな教科書のあり方について、文部科学省が作成した大臣指針の素案が17日に判明したと yomiuri.co.jp が伝えた。6月に改正学校教育法などが成立したことに伴うもので、基本的には全学年・教科でハイブリッドを中心とする。小学校5年生以上は主に紙、小学校4年生以下はおおむね紙で構成され、デジタルは補助的・補完的に組み込まれる方針が示されている。

完全デジタルの導入は小学4年生以下を認めない方針
紙を使わない完全デジタルの教科書について、文部科学省は小学4年生以下では認めない方針を固めた。小学5年生以上であっても、英語や音楽、美術といった実技系教科などに限定する。yomiuri.co.jp の報道によると、文科省が紙中心を打ち出した背景には、有識者会議で発達心理学の専門家らから年齢が低い子どもの認知機能は発達途上でデジタルの影響が大きいという指摘があったことや、紙の活用が学習で効果的だとする意見があったためとされる。
活字文化議員連盟からの要望書と健康面への懸念
指針の策定を巡っては、9月に超党派の国会議員でつくる活字文化議員連盟(会長・上川陽子元外相)からも、紙主軸の学びの継承や学力・健康への影響の検証を求める要望書が出されていたと yomiuri.co.jp が伝えている。視力などの健康面では継続的なモニタリングを実施する。導入後もデジタル教科書の使用状況と健康への影響の関係性について検証を行い、学校現場での実証研究なども踏まえて必要に応じて教科書のあり方を随時見直す方針である。
手書きの重要性と今後のスケジュール
素案では手書きの重要性に配慮し、書く活動の授業中での確保が明記された。人工知能の搭載については実証研究などを注視しつつ検討するとの言及にとどめられている。障害のある児童生徒への対応も行われる予定だ。文科省は素案のパブリックコメントを実施し、年内に大臣指針を策定する。指針を教科書検定のルールに反映させ、教科書会社は新しいルールを踏まえた制作を行う。新たな教科書は30年度に小学校、31年度に中学校、32年度以降に高校で順次導入される予定である。