兵庫県尼崎市で精神科クリニックを営んでいた医師の下村憲司容疑者が、妻の真実さん(当時41)の遺体を切断し、川に遺棄した疑いで9月30日に兵庫県警に逮捕された。下村容疑者は昨年8月に妻が行方不明になったとして届け出ていたが、その後の捜査で遺骨が発見され、逮捕に至った。.
尼崎の診療所で評判だった精神科医の逮捕
兵庫県尼崎市の中央公園近く、アーケード商店街の端で「サン・メンタルクリニック」を経営していた下村憲司容疑者が、死体損壊・遺棄の疑いで逮捕された。地元で精神科医として知られていた同容疑者について、患者からは「穏やかな話し方で面倒見がよかった」という声が聞かれる。Yahoo!ニュースの報道によれば、患者は「精神状態が荒れていた際、閉院時間を過ぎても話を聞いてくれた」と振り返り、同容疑者が過去にバンド活動をしていたことや、昆虫採集が趣味であるといった一面も語っていた。院内は患者で混み合うことも多く、地域で信頼を集めていた医師が突然、事件の容疑者となった。
昨年8月の遺体切断と川への遺棄容疑
社会部記者の話としてYahoo!ニュースが報じたところによると、下村容疑者は昨年8月、当時の自宅であった尼崎市内の一軒家で、妻である真実さんの遺体の頭部や手足を刃物で切断し、近くの神崎川へ捨てた疑いが持たれている。容疑者は昨年9月に「妻と8月13日に口論となり、翌日彼女が出ていった」として行方不明届を提出していた。その後、県警による事情聴取を経て、今年9月17日から20日にかけて神崎川を捜索したところ、複数の遺骨が発見された。
閉業の知らせと周囲が感じた異変
クリニックの閉業が告げられたのは9月15日のことだった。下村容疑者本人ではなく、別のカウンセラーから電話で突然伝えられたという。患者の一人は「先生は昨年夏から様子がおかしかった」と証言しており、ボーッと遠くを見つめるような表情を見せたり、声が弱々しくなったりするなどの変化を心配していた。兵庫医科大を2011年に卒業した同容疑者は、大学病院等での臨床経験を経て2019年に開業。実家は大阪府堺市の白亜の豪邸であり、父親は大阪大出身で近畿大名誉教授を務めた眼科医の重鎮という家庭環境であった。
夜遅い生活と家庭内の不可解な状況
下村容疑者の家庭生活については、デイリー新潮が近隣住民の証言を報じている。真実さんと暮らした尼崎の自宅周辺では、毎晩10時ごろや深夜12時過ぎに車で帰宅する姿が目撃されており、近隣住民は「生活時間が夜遅い不思議な家族だった」と語る。また、別の住民からは「夜11時ごろ、お風呂場から子どもの泣き叫ぶ声が聞こえた」という虐待を疑う声もあがっていた。真実さんは金髪に緑のメッシュを入れるなど目立つ存在で、近隣からは「男友達が多い」といった交友関係を巡る噂も出ていたという。

先妻との死別と再婚による家族構成
下村容疑者には中学生の男の子と2人の幼い女の子がいるが、家族事情を知る関係者の話としてデイリー新潮は、上の子の母親はすでに亡くなっていると伝えている。憲司容疑者が仕事から帰宅した際、自宅で突然死していたという。その後、5~6年前に真実さんと結婚し、二人の娘が生まれた。逮捕時の同容疑者の住所は西宮市の親戚宅となっており、事件発覚前後の生活環境の変化も注目されている。
事件の全容解明に向けた捜査の今後
下村容疑者は非常に仲の良いきょうだいに囲まれ、年末には皆でスキーに行くなど、一見すると恵まれた家庭環境にあったと複数の関係者が語っている。しかし、その内実において夫婦間にどのような諍いがあったのか、なぜこのような事態に至ったのかは依然として不明な点も多い。兵庫県警は死体損壊・遺棄の疑いで逮捕された下村容疑者の取り調べを進めており、妻の真実さんとのトラブルの経緯や、犯行に至った動機の解明が今後の捜査の焦点となる。