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富山市の国勢調査人口水増し事件、市職員が「空き家」などの記載を消しゴムで消去か

富山市職員が2025年の国勢調査人口を水増しした刑事告発事件で、調査員が世帯一覧リストに鉛筆で書き込んだ「空き家」などの記載を、市職員が消しゴムで消していたことが捜査関係者への取材で判明した。世帯数を不当に増やす目的があったとみられ、警察は当時の幹部職員らを任意で聴取している。 世帯一覧リストの鉛筆書きが消去された経緯 捜査関係者によると、問題となっているのは調査員が世帯主名や所在地、建物の名称などを記入して市に提出する世帯一覧リストだ。住民が記入する調査票とは異なるこの書類において、調査員が居住実態なしとして引いた二重線が根拠なく消されていたことがすでに判明している。さらに今月3日に富山市役所を押収したリストの写しを調べたところ、備考欄に調査員が鉛筆で書き込んだ「空き家」や「居住なし」といった記述についても、消しゴムで消された形跡が多数確認された。市はこれらに基づいて調査票を捏造し、人口を水増ししたとみられている。 当時の企画管理部長や関係職員への任意の事情聴取 富山市の国勢調査実施本部長を務めていた当時の企画管理部長や、部長以下の職員に対して、富山県警が任意で事情聴取を進めていることが捜査関係者への取材でわかった。市長や副職らの特別職については現時点で聴取していないという。捜査幹部は証拠品が膨大で関係者も多数に及ぶと明かしており、水増しの動機や背景の解明へ向けてできるだけ速やかに捜査を遂げたい方針を示している。 当初の速報値と9月の確定値の間にある乖離 2025年の国勢調査をめぐっては、今年5月に公表された富山市の人口速報値が40万2133人だったのに対し、9月29日に公表された確定値は2936人少ない39万9197人だった。総務省の取材によると、今回の水増し規模は2000人以上にのぼるとみられている。また、市職員が世帯員の氏名が書かれていないマークシート式の紙の調査票に、居住実態が確認されないまま人数を記載していたという捏造行為も判明している。 足で歩いた調査員から噴出する怒りと不信の声 重要な公的統計の信頼性を揺るがす事態に対し、実際に現場を歩いた調査員からは強い怒りの声が上がっている。2025年に調査員としておよそ90世帯を訪ね歩いた富山市東部の60歳代の男性は、1週間ほどかけてしらみつぶしに作業を進めた経験を振り返り、「自分が足で歩いて労力をかけてやった意味は、何だったのか」と憤る。報道で水増しを知った男性は、国の基幹統計が成り立たなくなる危惧を抱いており、あいまいにせず誰かが責任をとるべきだと主張している。 合併期と重なった四万人の維持という動機 2005年調査で業務を手伝った経験を持つ市企画管理部の元職員だった53歳の男性は、国への提出期限が迫る中で書類を消したり書き直したりする作業は大変であり、残業が増えても市職員にメリットはないと首をかしげる。その上で、当時は合併で新富山市が生まれたばかりであり、人口が40万人を超えたとアピールしていた時期だったと回想する。水増しの背景には、40万人を切れないという上司への気遣いが至上命令のようになったのではないかとの見方を示している。 今後の実態解明と警察による捜査の行方 富山県警は統計法違反容疑で捜査を進めており、市も独自調査を行うとしているが、いまだ明確な全容解明には至っていない。膨大な証拠品と多数の関係者を抱える中、警察は当時の幹部や担当職員への聴取を重ね、誰がどのような指示を出して水増しを実行したのか、その全貌の解明を急いでいる。 関連情報: 富山市職員を総務省が統計法違反で刑事告発、国勢調査の人口水増し疑い · 富山市の国勢調査で人口水増しの疑い、藤井市長が組織的関与を認め県警が審査担当職員21人から事情聴取を開始

富山市の国勢調査人口水増し事件、市職員が「空き家」などの記載を消しゴムで消去か

富山市職員が2025年の国勢調査人口を水増しした刑事告発事件で、調査員が世帯一覧リストに鉛筆で書き込んだ「空き家」などの記載を、市職員が消しゴムで消していたことが捜査関係者への取材で判明した。世帯数を不当に増やす目的があったとみられ、警察は当時の幹部職員らを任意で聴取している。

世帯一覧リストの鉛筆書きが消去された経緯

捜査関係者によると、問題となっているのは調査員が世帯主名や所在地、建物の名称などを記入して市に提出する世帯一覧リストだ。住民が記入する調査票とは異なるこの書類において、調査員が居住実態なしとして引いた二重線が根拠なく消されていたことがすでに判明している。さらに今月3日に富山市役所を押収したリストの写しを調べたところ、備考欄に調査員が鉛筆で書き込んだ「空き家」や「居住なし」といった記述についても、消しゴムで消された形跡が多数確認された。市はこれらに基づいて調査票を捏造し、人口を水増ししたとみられている。

当時の企画管理部長や関係職員への任意の事情聴取

富山市の国勢調査実施本部長を務めていた当時の企画管理部長や、部長以下の職員に対して、富山県警が任意で事情聴取を進めていることが捜査関係者への取材でわかった。市長や副職らの特別職については現時点で聴取していないという。捜査幹部は証拠品が膨大で関係者も多数に及ぶと明かしており、水増しの動機や背景の解明へ向けてできるだけ速やかに捜査を遂げたい方針を示している。

当初の速報値と9月の確定値の間にある乖離

2025年の国勢調査をめぐっては、今年5月に公表された富山市の人口速報値が40万2133人だったのに対し、9月29日に公表された確定値は2936人少ない39万9197人だった。総務省の取材によると、今回の水増し規模は2000人以上にのぼるとみられている。また、市職員が世帯員の氏名が書かれていないマークシート式の紙の調査票に、居住実態が確認されないまま人数を記載していたという捏造行為も判明している。

足で歩いた調査員から噴出する怒りと不信の声

重要な公的統計の信頼性を揺るがす事態に対し、実際に現場を歩いた調査員からは強い怒りの声が上がっている。2025年に調査員としておよそ90世帯を訪ね歩いた富山市東部の60歳代の男性は、1週間ほどかけてしらみつぶしに作業を進めた経験を振り返り、「自分が足で歩いて労力をかけてやった意味は、何だったのか」と憤る。報道で水増しを知った男性は、国の基幹統計が成り立たなくなる危惧を抱いており、あいまいにせず誰かが責任をとるべきだと主張している。

合併期と重なった四万人の維持という動機

2005年調査で業務を手伝った経験を持つ市企画管理部の元職員だった53歳の男性は、国への提出期限が迫る中で書類を消したり書き直したりする作業は大変であり、残業が増えても市職員にメリットはないと首をかしげる。その上で、当時は合併で新富山市が生まれたばかりであり、人口が40万人を超えたとアピールしていた時期だったと回想する。水増しの背景には、40万人を切れないという上司への気遣いが至上命令のようになったのではないかとの見方を示している。

今後の実態解明と警察による捜査の行方

富山県警は統計法違反容疑で捜査を進めており、市も独自調査を行うとしているが、いまだ明確な全容解明には至っていない。膨大な証拠品と多数の関係者を抱える中、警察は当時の幹部や担当職員への聴取を重ね、誰がどのような指示を出して水増しを実行したのか、その全貌の解明を急いでいる。

執筆者について: nipponese

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