吉原の高級ソープランド「ルーブル」を警察に通報し、摘発の引き金となった元従業員の女性が、恐喝容疑で警視庁浅草署に逮捕された。店長から現金を脅し取ろうとした疑いだが、本人は容疑を否認している。SNSで「琴音」として活動し、ロースクール受験を公言していた女性の転落により、業界には激震が走っている。
元ソープ嬢「琴音」によるルーブル摘発と恐喝容疑での逮捕
警視庁浅草署は20日、元勤務先の性風俗店店長から現金を脅し取ろうとしたとして、東京都中央区晴海在住の大学生・中村靖菜容疑者(30)を恐喝および恐喝未遂の疑いで逮捕した。中村容疑者は今年7月末、台東区内の元勤務先である高級ソープランド「ルーブル」の50代男性店長に対し、「置いたままの私物を取りに行く」などと告げて電話や対面で脅迫行為に及んだ疑いが持たれている。取り調べに対し、中村容疑者は「間違っています」と容疑を否認しているという。
中村容疑者は、SNS上で「琴音」の源氏名で活動し、フォロワーや風俗ファンの間で知られていた人物だ。彼女は過去に「ルーブル」を警察に通報した張本人であり、その告発が決定打となって経営者の宮下喜広容疑者(55)ら5人が売春防止法違反の疑いで逮捕され、同店は摘発された。
SNSで発信された「多才なプロフィール」の実態
逮捕された中村容疑者の人物像について、ネット上では彼女が過去に発信していたSNSの内容に注目が集まっている。彼女のものとみられるXアカウント「しま(元・琴音)」のプロフィール欄には、以下のような経歴が記載されていた。
- 東京生まれの日中ハーフであること
- 中国人の父の家族は国務院の官僚一族であること
- 法学部卒業後に歯科大へ再入学し、現在はロースクール(LS)受験中であること
- 親の遺産が入ったため夜の仕事は卒業したという記述
SNS上の華やかな自己紹介とは裏腹に、現在は刑事事件の被疑者として留置場に直行するという事態に対し、ネットユーザーの間では困惑が広がっている。また、SNS上では彼女が過去に他地域の店舗で別の源氏名を使って勤務していたのではないかという噂や、当時のものとされる画像が拡散されるなど、その経歴をめぐって様々な憶測が飛び交っている。
年商55億円「ルーブル」の経営実態と背後の人脈
摘発された「ルーブル」は、約8年半で55億円、年平均にして約6.5億円もの売上を記録していた。しかし、業界関係者は「額面通りには儲かっていなかったはずだ」と分析する。キャストへのバック率が60%であれば、店の取り分は年間約2.7億円程度となる。そこから吉原の一等地の高額な家賃や、スタッフの人件費、ポータルサイトへの広告費、キャストへの給与保証などを差し引けば、経営陣の手元に残る利益は限定的だったとみられる。
さらに、中村容疑者が退店後も「ルーブル」以外の吉原の高級ソープランドに対しても脅迫行為を繰り返していたという情報が浮上している。この動きの背後には共謀しているとされる中国人男性の影があり、SNS上では特定作業が進められている。彼女の目的が単なる腹いせなのか、あるいはチャイナマネーを背景にした吉原の利権強奪なのか、全容は解明されていない。
「自由恋愛」の不文律が崩壊する吉原の未来
今回の事件は、一店舗の摘発にとどまらず、吉原という街の根幹を揺るがしている。風俗業界の裏事情に詳しい関係者は、「この世界は『自由恋愛』という建前と不文律によって警察と黙認のバランスを保ってきた」と語る。しかし、従業員自身による明確な告発と証拠の提出は、警察が動かざるを得ない状況を作り出した。
業界関係者は今後の運営について、極めてシビアな見通しを立てている。「今の時代、吉原で新規のソープランド営業許可を取ることは実質不可能に近い。既存の店舗を守るしかない」とした上で、採用時の身辺調査の徹底や、トラブルを起こしそうな人物の排除が不可欠になると指摘した。一人の女性の行動が、長年守られてきた吉原の聖域を崩壊の危機に追い込んでいる。今後、捜査当局が共謀者とされる人物を含め、事件の全貌をどこまで明らかにできるかが焦点となる。