2026年10月15日、アラスカ州上院選の討論会が行われ、共和党現職のダン・サリバン議員と民主党のメアリー・ペルトラ候補が激突した。燃料価格の高騰や互いの適格性を巡り、両候補は激しい言葉の応酬を繰り広げた。.
最終討論会で浮き彫りになった論争
アンカレッジで行われた「Debate for the State」で、現職のダン・サリバン上院議員(共和党)と元下院議員のメアリー・ペルトラ候補(民主党)は、政策の対立を超えて互いの信頼性を厳しく追及した。サリバン氏は、ペルトラ氏が討論中にメモを使用していたことを指摘し、「質問を事前に入手していたのではないか」と疑念を呈した。これに対しペルトラ氏は「準備をしていただけだ」と反論した。また、サリバン氏は自身の主張として、ペルトラ氏の在職中に25人のスタッフが「身体的、感情的な虐待」を理由に辞職したという報道を引用し、彼女の性格に欠陥があると攻撃した。ペルトラ氏はこれらの告発を「根拠のないゴシップ」と一蹴した。
両者はエネルギー政策でも激しく対立した。ペルトラ氏は、トランプ前大統領が進めるロシアからのディーゼル輸入を批判し、「ウクライナを支援すべき立場にありながらロシアを利する行為だ」と非難した。一方、サリバン氏は、アラスカ州の燃料価格高騰をバイデン政権の失策と結びつけ、国内のエネルギー生産拡大こそが解決策だと主張した。
接戦を左右する「ランク選択式投票」と世論調査
今回の選挙戦は、アラスカ州が共和党の牙城であった歴史を揺るがす「接戦」として注目されている。Fox Newsのパワーランキングでは、本レースを「どちらも優勢とは言えない(toss-up)」と評価している。直近の世論調査では、ランク選択式投票の最終ラウンドにおいて、ペルトラ氏が50.1%、サリバン氏が48%という予測も出ている。共和党関係者は、このシステムを「腐敗しており、国中で禁止すべきだ」と批判し、元候補のサラ・ペイリン氏も「有権者の意欲を削ぐ奇妙な制度」と評している。

共和党陣営は、同じ「ダン・サリバン」という名前を持つ別の候補(ダニエル・J・サリバン氏)の存在に警戒を強めている。一部の共和党支持者は、これが有権者を混乱させるための「欺瞞的な政治操作」であると主張している。州最高裁は同氏の出馬を認めたが、トランプ前大統領はアリゾナ州の集会で「アラスカでひどい事態が起きている」と述べ、この状況を強く非難した。
経済と資源を巡る現実
アラスカ州の経済は燃料価格に極めて敏感である。KYUKの報道によると、ベセル周辺ではガソリン価格が1ガロンあたり7.29ドルから7.66ドルに達し、ナパスキアックでは9.40ドルに及んでいる。この価格上昇は、発電用のディーゼル燃料や食料品の輸送コストを押し上げ、住民の生活を直撃している。ペルトラ氏はこれに対し、年収9万2,000ドル以下の住民に対する連邦所得税の免除や、処方薬の価格上限設定を公約に掲げている。

また、資源開発については複雑な側面がある。ペルトラ氏は、自身の在職中にバイデン政権に対し、コノコフィリップス社の「ウィロー・プロジェクト(石油掘削計画)」の承認を強く働きかけた実績を強調し、自身が「バイデン政権と対等に渡り合える」候補であることをアピールしている。
今後の選挙日程と注目点
アラスカ州の期日前投票は10月24日から11月1日まで実施される。共和党全国委員会(RNC)は、サリバン氏を「アラスカの未来を『Lower 48(本土)』の左派から守る防波堤」と位置づけており、トランプ前大統領やJD・バンス副大統領が現地入りして支持を訴えている。対する民主党側も、ペルトラ氏を「中道的な感覚を持つ普通の人」として売り込み、全国的な民主党のイメージから距離を置く戦略をとっている。アラスカ州の政治状況について、民主党のアリック・クロフト州党委員長は「アンカレッジの成長が州の政治を変えている」と指摘しており、この選挙結果が今後の上院勢力図を左右する重要な鍵となることは間違いない。