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イタリアがアルバニアに初の不法移民収容施設を開設、メローニ首相は革新的と主張するが人権団体は批判

イタリア政府は2024年10月、アルバニア北部のジャデルに不法移民収容施設を開設した。EU圏外に難民申請者の収容拠点を置く初めての試みであり、メローニ伊首相は「革新的解決策」と主張するが、人権団体からは非人道的な措置との批判が絶えない。 アルバニア北部に設置された初の域外収容施設 アルバニア北部の山間部に位置する集落、ジャデル。読売新聞の報道によると、家畜の臭いが漂う山道を上った先には、高い鉄製の塀に囲まれた施設が建っている。この建物はEU非加盟国であるアルバニアにありながら、イタリア警察が警備を担い、イタリアの旗が掲げられている。2024年10月に運用が開始されたこの施設は、イタリアへ密入国を試みた不法移民や、難民申請が却下された人々を収容する目的で設置された。施設の男性職員は「ここは、非EUの山奥だ。再びイタリアを目指すものなどいない」と話した。EU加盟国が域外に収容拠点を設けるのはこれが初の事例となる。 難民申請と強制送還の停滞が背景に 欧州における不法移民問題は深刻化している。今年6月時点で、EU圏内で難民申請の審査を待つ人は約77万人に上る。読売新聞の調査では、申請が却下されたとしても、その7〜8割が強制送還されないまま欧州各地に拡散している現状が指摘されている。こうした状況が不法移民増加の大きな要因となっている。アルバニア側には、EU加盟を目指す中でイタリアとの連携を強め、恩を売るという政治的な狙いがあるとみられる。 右派ポピュリズムの台頭と移民政策の転換 欧州では過去10年間で、EU加盟国の3分の2で右派政党が勢力を拡大してきた。右派ポピュリストは「移民が雇用を奪い、治安を悪化させた」と主張し、移民排斥を掲げることで支持を集めている。一方で、移民が欧州経済の労働力を支えているという実態については議論が避けられる傾向にある。かつてシリア難民危機に際して130万人を受け入れた当時の欧州の規範は、現在では大きく変容している。 調査会社ユーガブが昨年、英仏など6か国で行った調査では「不法移民は欧州の価値観を共有していない」と答えた人は71.2%に上った。 ポピュリズムが左右する欧州の未来 移民排斥を訴えるポピュリズム的な言説は、選挙における強力な集票手段として定着している。強硬右派が勢力を強める中、かつて欧州が掲げた「移民に寛容であれ」という規範は、過去のものとなりつつある。今後、イタリアが始めたこの域外収容という手法がEU全体に定着すれば、欧州の難民政策は人権保護の観点よりも、不法移民の物理的な排除を優先する方向へ大きく舵を切ることになるだろう。この先、各国がどのような形で独自の「リターンハブ」を運用していくのか、その動向が注目される。

イタリアがアルバニアに初の不法移民収容施設を開設、メローニ首相は革新的と主張するが人権団体は批判

イタリア政府は2024年10月、アルバニア北部のジャデルに不法移民収容施設を開設した。EU圏外に難民申請者の収容拠点を置く初めての試みであり、メローニ伊首相は「革新的解決策」と主張するが、人権団体からは非人道的な措置との批判が絶えない。

アルバニア北部に設置された初の域外収容施設

アルバニア北部の山間部に位置する集落、ジャデル。読売新聞の報道によると、家畜の臭いが漂う山道を上った先には、高い鉄製の塀に囲まれた施設が建っている。この建物はEU非加盟国であるアルバニアにありながら、イタリア警察が警備を担い、イタリアの旗が掲げられている。2024年10月に運用が開始されたこの施設は、イタリアへ密入国を試みた不法移民や、難民申請が却下された人々を収容する目的で設置された。施設の男性職員は「ここは、非EUの山奥だ。再びイタリアを目指すものなどいない」と話した。EU加盟国が域外に収容拠点を設けるのはこれが初の事例となる。

難民申請と強制送還の停滞が背景に

欧州における不法移民問題は深刻化している。今年6月時点で、EU圏内で難民申請の審査を待つ人は約77万人に上る。読売新聞の調査では、申請が却下されたとしても、その7〜8割が強制送還されないまま欧州各地に拡散している現状が指摘されている。こうした状況が不法移民増加の大きな要因となっている。アルバニア側には、EU加盟を目指す中でイタリアとの連携を強め、恩を売るという政治的な狙いがあるとみられる。

右派ポピュリズムの台頭と移民政策の転換

欧州では過去10年間で、EU加盟国の3分の2で右派政党が勢力を拡大してきた。右派ポピュリストは「移民が雇用を奪い、治安を悪化させた」と主張し、移民排斥を掲げることで支持を集めている。一方で、移民が欧州経済の労働力を支えているという実態については議論が避けられる傾向にある。かつてシリア難民危機に際して130万人を受け入れた当時の欧州の規範は、現在では大きく変容している。

調査会社ユーガブが昨年、英仏など6か国で行った調査では「不法移民は欧州の価値観を共有していない」と答えた人は71.2%に上った。

ポピュリズムが左右する欧州の未来

移民排斥を訴えるポピュリズム的な言説は、選挙における強力な集票手段として定着している。強硬右派が勢力を強める中、かつて欧州が掲げた「移民に寛容であれ」という規範は、過去のものとなりつつある。今後、イタリアが始めたこの域外収容という手法がEU全体に定着すれば、欧州の難民政策は人権保護の観点よりも、不法移民の物理的な排除を優先する方向へ大きく舵を切ることになるだろう。この先、各国がどのような形で独自の「リターンハブ」を運用していくのか、その動向が注目される。

執筆者について: nipponese

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