ベネズエラの野党指導者でノーベル平和賞受賞者のマリア・コリナ・マチャド氏が、2026年10月25日に約1年ぶりに帰国した。同氏は西部ララ州の教会に姿を見せ、支持者らに迎えられた。ロイターなどが報じている。
ララ州の教会に姿を見せたマチャド氏
マリア・コリナ・マチャド氏は25日、ベネズエラ西部ララ州の教会に現れた。同氏は自身のX(旧ツイッター)に「私はここにいる。皆さんと共に」と投稿し、帰国を公表した。ロイターの記者によると、現地では集まった人々が国歌を斉唱し、マチャド氏が車で移動する際には「自由を」と叫ぶ声が上がった。同氏は今後、陸路で首都カラカスへ向かう予定となっている。
帰国実現までの複雑な経緯
今回の帰国は、マチャド氏にとって長年の懸念事項であった。同氏はこれまで複数回にわたり帰国を試みてきたものの、実現には至らなかった。ロイターの報道によると、過去には米政府がマチャド氏に対し、帰国を遅らせるよう少なくとも1回要請していた経緯がある。チームは今回、どのような手段で入国したかという詳細については明らかにしていない。事情に詳しい関係者2人は、同氏がパナマからプライベート機でコロンビアへ移動し、その後陸路でベネズエラに入ったと証言している。
トランプ米政権との微妙な距離感
マチャド氏の帰国に向けた動きは、トランプ政権との関係を試すものとなった。トランプ氏はマドゥロ政権下で副大統領を務めたロドリゲス暫定大統領への支持を表明しており、ベネズエラでの石油生産などの事業合意についても評価している。トランプ氏は25日、ホワイトハウスで記者団に対し、マチャド氏の帰国については「何も知らない」と述べつつ、ロドリゲス氏への支持を継続する意向を示唆した。
「彼女はとても素敵な女性だ。だが、われわれはベネズエラで非常にうまくやっている」とトランプ氏は語った。
米政府による和解協議の評価
ルビオ米国務長官はマチャド氏の帰国に関し、声明を発表した。同長官は、今回の帰国を可能にした環境は「米国が支援する和解協議の直接的な成果だ」と指摘した。この協議を通じて、これまでに数百人の政治犯が釈放され、亡命していた野党関係者も帰国している。ルビオ氏は、この動きが過去30年間で最も民主主義を実現する機会であるとし、全ての政治勢力に協議への支持を求めた。
1年間の潜伏生活と今後の見通し
マチャド氏はマドゥロ政権から出国を禁じられていたが、1年以上にわたる潜伏生活を経て、2025年末のノーベル平和賞授賞式に合わせて秘密裏に出国していた。今回の帰国により、同氏が今後どのような政治活動を展開するのか、また米国の支援する和解協議が国内情勢にどのような影響を及ぼすのかが注目される。ベネズエラにおける自由で公正な選挙の実現に向け、今後の動向が焦点となる。