米カトリック教会の司教2人が、他の聖職者10人とともにホワイトハウスの大統領執務室でドナルド・トランプ大統領と面会したことについて、後悔の念を表明した。自分たちは「利用された」と述べており、中間選挙まで2週間を切る中で政治的なイベントに意図せず参加してしまったと謝罪していることがCNNなどの報道で分かった。
ホワイトハウスでの面会と聖職者たちの祈り
22日に公開された写真や動画には、12人の聖職者が大統領のために祈りを捧げている様子が収められている。その映像では、大統領執務室の机に座り頭を垂れるトランプ氏の周囲で、聖職者たちが祈りを捧げる姿が確認できる。Yahoo!ニュースなどが報じたところによると、この面会にはミルウォーキー大司教ジェフリー・グロブ氏やデモイン司教のウィリアム・ジョエンセン氏らが出席していた。
録画や一般公開知らされず操作されたと主張
ミルウォーキー大司教のジェフリー・グロブ氏は、後にこの面会は操作されたものだったと述べている。同氏によれば、面会の様子が録画されていることは知らされておらず、司教たちは映像や画像の一般公開について許可を与えていなかったという。グロブ氏は声明の中で、この面会は大統領本人やその政策、あるいは所属政党を支持するものでは決してなかったと説明した。ただ当該の画像の公開後すぐに、国政選挙まで2週間を切った時期に意図せず政治的なイベントに参加してしまったのではないかという懸念のメッセージが届き始めたため、自らの行動について謝罪を表明した。
党派的な政治目的のために利用されたという後悔
デモイン司教のウィリアム・ジョエンセン氏も、この面会が党派的な政治目的のために利用されたと感じたと述べ、自身の対応を悔やむ心境を明らかにしている。一方で、あらゆる立場の政治指導者たちと対話し、彼らのために祈るという姿勢はこれからも持ち続けていく意向を示した。ホワイトハウスが公開したこの光景は、政治的な立場を表明することを慎重に避けてきたローマ教皇レオ14世の姿勢の対極に位置するものとなっている。
ローマ教皇の姿勢と教皇自身の米国訪問方針
教皇はかねて司教たちについて、いかなる政治的な党派性にも関わるべきではないと主張してきた。一方で教皇はより広範な政策課題については発言しており、トランプ政権による移民取り締まりやイランでの戦争に反対の声を上げたほか、人工知能に対する規制強化も求めている。教皇が2026年に米国を訪問しないと決定した背景には中間選挙の存在も大きく影響しており、教皇の訪問は伝統的に選挙期間中には行われないことになっているためである。
ホワイトハウスによるトランプ政権の宗教的実績の主張
トランプ氏は過去の選挙戦においてカトリック教徒から支持を集めてきたが、最近の世論調査によると、大統領の座に返り咲いて以降はその支持が低下傾向にある。ホワイトハウスの広報担当者は、司教らが自身の画像を使用することに同意していたかどうかという問いには答えず、声明を出すにとどまった。ホワイトハウスは、トランプ大統領ほどカトリック系米国人のために尽くした大統領は他にいないと主張し、その根拠として宗教的権利の拡大や中絶反対活動家への恩赦などを挙げている。