フランス全土で生活費高騰に対する抗議デモが続く中、リモージュの歴史ある市庁舎が放火されて炎に包まれ、塔の尖塔が崩落した。仏当局は極左集団による犯行と指摘し、全国で約400人が拘束された。.
リモージュ市庁舎の尖塔崩落と全焼被害
フランス中部の都市リモージュにある築143年の市庁舎が、激しい火災により大部分が失われた。現地時間の18日夜、覆面姿の暴徒が建物内に侵入し、放火に及んだと当局は発表している。炎に包まれた時計塔の尖塔が轟音とともに崩れ落ちる瞬間が目撃された。
オート=ヴィエンヌ県のモールス・バラト県知事は、AFP通信の取材に対し、屋根は西 wing を除いて下層階へと崩落し、外壁の3分の2すでに消失していると被害の深刻さを語った。バラト知事はこの破壊行為を” hooligan による意図的な犯行 “であり、文化遺産にとっての大惨事
であると強く非難している。
1879年に着工されたこの歴史的建造物は、1883年7月14日に落成式を迎えた。1975年にはフランスの歴史的記念物に指定されていたが、今回の放火によってその姿は無残に変わり果てた。ジャン・ジョレス通り周辺では、市庁舎の襲撃だけでなく周辺の商店に対する略奪行為も発生したと報じられている。
生活費高騰デモと過激化する抗議活動
今回の市庁舎破壊は、フランス全土で4週目に突入した生活費高騰への反発と、学生デモが合流した大規模な抗議活動の最中に起きた。フランス内務省によると、全国100カ所以上の行進に約55万人が参加した。
首都パリでも混乱が広がり、レピュブリック広場周辺ではフードやマスクを着用した群衆が警察官に向けて花火などの投擲物を浴びせた。治安部隊は催涙ガスや放水銃を使用してデモ隊の排除にあたった。また、リールやカレーの市庁舎、ブレストの警察署でも襲撃未遂が起きたほか、レンヌ、トゥールーズ、モンペリエ、グルノーブルなど各地で衝突が報告されている。
ローラン・ヌネス内相は、一連の暴動の背景について、「極めて暴力的な急進的極左グループ」によるものだと名指しで非難した。オート=ヴィエンヌ県によれば、リモージュ市内には約2,000人が集結し、そのうち約500人が治安部隊に投石などの攻撃を加えたという。この日の衝突で警察官4人が重傷を負い、パトカー4台が破壊された。
マクロン大統領と地元首長の反応
「我が国の共和国において暴力の居場所はない。県庁や店舗を襲撃し、さらには市庁舎まで略奪した者たちは、起訴され処罰されるだろう。」
エマニュエル・マクロン仏大統領、SNS声明より
リモージュのギョーム・ゲラン市長も、歴史的建造物の崩壊を受けて声明を発表した。「デモを行う権利は存在し、怒りは聞かれるべきだ。しかし、いかなる不満や意見の相違も、公共財産の破壊を正当化することは決してできない」と述べ、一連の暴力を断じて許されないものと切り捨てた。
全国での逮捕者と今後の捜査
内務省の発表によると、全国で行われた一連の衝突や違法行為に関連して、土曜日だけで約400人が警察に拘束された。リモージュが属する地域でも19人が身柄を拘束されており、当局はさらなる関与者の特定へ向けて捜査を継続している。

静穏に行われた平和的なデモが存在する一方で、主要都市を襲った暴動はインフラや行政施設に甚大な被害を残した。治安維持にあたる警察組織への支持を強調しつつ、混乱を仕掛ける集団に対して政府は厳格な法的措置をとる方針を固めている。