トランプ大統領がフーシ派への空爆を求めるサウジアラビアの要請に躊躇していることが、両国の関係に緊張をもたらしている。米軍は直接的な軍事介入は行っていないが、引き続き武器や情報の提供を続けている。.
フーシ派の攻勢とサウジアラビアの困惑
フィナンシャル・タイムズ紙が9月22日付で報じたところによると、サウジアラビアは直近の協議で、フーシ派に対する共同空爆を米国に要請したものの、米国側は参加しないと回答した。過去2週間、フーシ派はサウジアラビア南部の石油施設を標的にしたほか、イエメンの紅海沿岸で攻勢を強めている。フーシ派はさらに、紛争再開後初めて首都リヤドに向けて弾道ミサイルを発射した。ムハンマド皇太子は、自国を金融・観光の拠点とする野心的な国家計画を推進する中で、地域情勢の安定化という難題に直面している。

航空路に及ぶ脅威とデルタ航空の対応
フーシ派によるミサイルやドローン攻撃は民間航空業界にも影響を及ぼしており、キング・ハーリド国際空港ではここ数週間にわたり複数の攻撃が発生し、死傷者が出ている。米連邦航空局(FAA)が米系航空会社に航行安全警告を発出したことを受け、デルタ航空は米国とサウジアラビアを結ぶ路線の開設延期を決定し、エド・バスティアンCEOは運航判断の最優先事項は「安全性」であると強調した。.
防空システムの限界と軍事費のジレンマ
サウジアラビアは世界有数の軍事予算を投じ、米国や欧州から最新兵器を調達してきた。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、サウジの昨年の軍事費は830億ドルに達する。しかし、多層的な防空網を保有していてもフーシ派のミサイルやドローンをすべて防ぎ切ることは困難であり、国防省は防衛リソースの配置で厳しい選択を迫られている。米国はサウジへの243億ドル規模のF35戦闘機売却を承認しているが、引き渡しには何年もかかる見通しだ。.

米国の慎重姿勢と今後の軍事的影響
現在のトランプ政権は、中東情勢の混乱がもたらす政治的影響に加え、軍事資源の逼迫や弾薬備蓄の減少という課題を抱えている。米国はサウジアラビアへの武器提供を続けているものの、直接的な軍事介入には踏み切らない姿勢を崩していない。戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・ラトニー氏は、米国が関与に慎重な姿勢を見せることで、パートナー国からは「一番困っている時に見捨てられた」という印象が強まると指摘する。フーシ派はイランの支援を背景に勢力を拡大しており、サウジアラビアは軍事的な報復と外交的な対話の間で、極めて困難な舵取りを強いられている。