テスラは、新型ロードスターのラインナップとして「Rocket」「Performance」「スラスト」の3モデルを発表し、宇宙工学を応用した塗装や推進システムを採用した一部モデルが空を飛ぶ機能などを備える中、日本向けの公式サイトではPerformanceの予約受付が行われている。.
航空宇宙技術を導入したエクステリアデザイン
テスラが発表した新型ロードスターは、ミニマルな外観と高度な技術の融合を狙ったデザインを採用している。Motor Fanの報道によると、ボディカラーの「Ano White」は、宇宙空間で紫外線や極低温から機体を保護する航空宇宙分野の塗装技術を参考に開発された。打ち上げ前や回収時のロケットを静電気や腐食から守るための技術を転用している。また、ウインドウには宇宙服のバイザーを模した「ゴールドグレイズド」というスモークガラスを採用し、銅コーティングのような金色の輝きを放つ。ヘッドライトは格納式とし、リヤにはフルレングスのテールライトを配置。ボディ面と段差なく収められた空力パーツを、同社は「ヒドゥンエアロ」と呼んでいる。
ステア・バイ・ワイヤと軽量化を追求した室内
室内空間は、テスラが「象徴的」と表現するウルトラホワイトの内装を基調としている。ステアリングには、ステア・バイ・ワイヤ専用のヨーク型を採用した。ドライバー前方に配置された2つの小型ディスプレイと、センタータッチスクリーンで走行情報を確認する仕組みだ。シートにはグリップ性能を高めたグレーのマイクロスエードを使用し、バックレストにはスピードライン状の穿孔模様を施している。軽量化のため、シート位置は固定式とした。マグネシウム、チタン、カーボンファイバーといった高強度かつ軽量な素材を随所に採用し、走行性能の向上を図っている。
空を飛ぶ「Rocket」と3つの走行モデル
ラインナップは、用途に応じて3つの仕様に分けられている。
- Rocket:テスラからの招待者のみ購入可能な1人乗りモデル。公道走行は不可だが、飛行能力を備える。
- Performance:公道走行に対応した2人乗りモデル。アクティブエアロを装備。
- スラスト:Performanceのオプションアップグレードとして設定される、レース走行対応の2人乗りモデル。
全モデルに共通して、スペースXのコンポーネントを取り入れた空力・推進システムが導入されている。床下のマルチモードファンとグランドシーリングシステムによる吸引機構は、停止状態でも車体を天地逆さにして保持できるほどのダウンフォースを生む。
コールドガススラスターによる加速性能
推進を担うコールドガススラスターは、電動アクチュエーターで推力を制御する。スラストは車体後部にこのシステムを備え、停止状態から1秒未満で時速60マイル(約97km/h)に到達する性能を持つ。Rocketモデルでは、車体の周囲にスラスターを配置することで、前進や上昇、横方向の回転運動を制御し、飛行中の姿勢を安定させる。この微調整は1秒に満たない時間で実行される。アクティブウイングとの組み合わせにより、トラクションとコーナリング速度をあらゆる条件で最適化する仕組みだ。
日本国内における予約状況と今後の展開
日本向けの公式サイトでは、現在「Performance」の予約を受け付けている。予約には68万円の注文料が必要となり、これは全額払い戻しが可能だ。さらに10日以内に614万円の支払いが必要となるが、これは車両本体価格ではなく予約金として扱われる。設定は左ハンドル仕様のみである。現時点で、航続距離や出力、車両本体価格といった詳細なスペックは公開されていない。今後の正式発表により、各モデルの詳細や市場投入時期が明らかになる見通しだ。