2026年10月23日金曜日、ケニアの首都ナイロビのイーストリー地区で建設中の16階建てビルが崩壊した。当局によると、これまでに2人が救出されたが、依然として5人が行方不明となっている。警察は、建設に関与した所有者や請負業者に対する捜査を開始した。
イーストリー地区での崩壊と救助活動の状況
崩壊は金曜日の昼食時に発生した。現場の映像には、建設中の高層ビルが突然崩れ落ち、周囲の通りが土煙に包まれる様子が記録されている。このビルは16階から18階建てとみられ、現場には足場が組まれたままの状態だった。現場は他の高層ビルに挟まれた狭い場所であり、救助活動は困難を極めた。また、崩壊直後には略奪行為も報告され、警察が催涙ガスを使用して群衆を解散させる事態となった。
内務省のキプチュンバ・ムルコメン大臣は、崩壊時に建物内にいた67人の建設作業員のうち66人が無事に避難し、1人が負傷したことを明らかにした。当初、7人が行方不明と報告されていたが、土曜日に2人が救出され病院に搬送された。残る5人は、建物の1階および地下階に入居していた11の店舗にいたとみられている。救助隊は、崩れたコンクリートの残骸を金属切断機で除去しながら、生存者の捜索を続けている。

建設基準と安全規制を巡る当局の調査
ナイロビのサカジャ・ジョンソン知事は記者団に対し、当該ビルには居住に必要な「居住証明書」が発行されていなかったと指摘し、「この建物には居住証明書がなく、結果として人命が失われる可能性があった」と述べた。居住証明書とは、建物が安全であり、法的に居住可能であることを当局が確認する正式な承認を指す。国家建設局は、開発に関与した企業、建築家、構造エンジニアを特定したと発表したが、事故前に現場の検査が行われていたかどうかについては言及していない。
開発計画や安全基準を無視する開発者は、法の全力を受けることになる。
国家警察局の声明より
また、ケニア工学技術協会(IETK)のビビイェ・マフムード会長は、現場でAFPの取材に対し、業界内の監視体制の欠如を強く批判した。
請負業者やエンジニアは、専門家によって工事が確実に進められるようにしなければならない。しかし、そのほとんどが行われていない。これが私たちがこうした惨事を目にする理由であり、説明責任が存在しないのだ。 ビビイェ・マフムード、ケニア工学技術協会会長
さらに、ケニア技術者協会(IEK)のジョン・オガロ副会長も現場に立ち会い、崩壊前に亀裂などの危険な兆候が確認されていたとの証言を伝えた。不適切な材料が使用された場合、建物は「時限爆弾」になると同氏は警告した。
繰り返されるビル崩壊と構造的な課題
ナイロビでは建設ブームが続いており、統計局によると、年間完成棟数は2022年の20,025棟から昨年は25,090棟へと増加している。しかし、ケニア国家建築検査局の報告書では、全国で監査された建物の87%が基準を満たしていないか、必要な承認を得ていないことが判明している。また、ケニア公共政策研究分析研究所の報告によれば、2009年から2019年の間にナイロビで86件のビル崩壊が発生し、推定200人が死亡した。過去にも、2016年4月にナイロビ北東部で6階建てアパートが崩壊し49人が死亡、2022年9月にも郊外で5人が死亡する事故が発生するなど、建設規制の不備や汚職による手抜き工事が長年の課題となっている。