カリフォルニア州のロブ・ボントン司法長官は2026年8月24日、パラマウント・スカイダンスとワーナー・ブラザース・ディスカバリーによる1,110億ドル規模の巨大合併を巡る反トラスト法訴訟の和解協議に向けた仲介会合を急遽中止した。
カリフォルニア州のロブ・ボントン司法長官は、映画業界を揺るがす大型再編を阻止するための反トラスト法訴訟について、予定されていた和解協議の場を土壇手で取りやめた。事態の急変は、前週に行われた非公式協議の内容や機密事項が外部に漏洩したことが引き金となった。
情報漏洩と「ゲーム」への批判が招いた会合中止
ボントン司法長官は24日の声明で、パラマウント側が前週の予備協議における機密保持のルールを破り、合意事項や議論の内容をリークしたと強く非難した。週末にかけてメディアが報じた内容には、基本ケーブルテレビチャンネルの売却や、ワーナー・ブラザースの映画スタジオをパラマウント・ピクチャーズから切り離して別個に維持するといった、州側が提示予定だった条件が含まれていた。
パラマウント側はこれらの報道についてコメントを控えている。しかしボントン長官は、パラマウントが誠実さを欠く対応をとっているとして強い不快感を示した。
「パラマウント側が和解協議の主張内容をリークしただけでなく、それらを誤って伝えたことは誠実さの欠如を証明している。パラマウントがゲームを止め、誠実に交渉に応じるようになり次第、私のオフィスは喜んで再び会合に応じる。」 ロブ・ボントン、カリフォルニア州司法長官(DeadlineおよびLos Angeles Timesの報道に基づく)
対立の背景にある巨大合併と地方自治体への影響
裁判所が指定した2027年3月2日の公判開始を前に、ゲビン・ニューサム州長官、ロサンゼルスのカレン・バス市長、民主党の州知事候補であるザビエル・ベセラ氏など複数の有力民主党政治家は、裁判を回避して和解による解決を図るよう求めていた。しかし、パラマウント側が連邦判事による連邦債の却下を無視し、訴訟による巨額の損失を補填するため18億8,000万ドルの債券設定を求めたことなどで、両者の溝はさらに深まっていた。
さらに、ロサンゼルス郡経済機会局が8月19日にまとめた報告書によれば、約4,500件のテレビおよび映画関連の雇用が失われるおそれがあり、80億ドルを超える負債を抱える新会社の影響で関連産業の間接的な雇用も消滅するとの試算が示されている。
政治的プレッシャーと著名俳優を巡る論争
法廷闘争の舞台裏では、ハリウッドの政治的・文化的な緊張も高まっている。パラマウント側は直近の動きとして、合併に反対する著名俳優マーク・ラファロ氏が反ユダヤ主義的な表現を用いてキャンペーンを展開していると非難した。

エリソン氏側が、協議が不調に終わった場合にはパラマウントの本拠地をテネシー州やテキサス州、ジョージア州へ移転する可能性を示唆していることも、地元カリフォルニア州の政治家にとって大きなプレッシャーとなっている。
今後の見通しと裁判に向けた日程
現在のところ、双方の間で新たな和解協議の日程は組まれていない。連邦判事によって命じられた仲介セッションは事実上の頓挫を余儀なくされており、事態が再び動くかどうかの期限は10月1日頃に設定されている。
現時点で司法長官室とパラマウント側の双方に歩み寄りの気配はなく、2027年3月2日の裁判開始へ向けた法廷闘争はさらに激しさを増す見通しだ。