米国とカナダは国境を挟んで世界最長の国境を共有し、長年にわたり不可分な電力インフラや石油・天然ガスネットワークによって深く結ばれてきた。sg.news.yahoo.comによると、両国の電力システムは東部および西部の相互接続(Interconnection)などを通じて約28ギガワットの送電容量で結ばれており、発電所や送電網は一体化して運営されている。しかし、カナダ側では米国への過度な依存から脱却し、国内の連係を強める動きが始まっている。sg.news.yahoo.comの報道によれば、マーク・カーニー首相の政権下でカナダと各州の首相らは、国内の送電網整備に向けた事前開発作業を2027年7月までに完了し、同年末までに最初のプロジェクトに着手することで合意している。
関税戦争とエネルギーの例外扱い
両国間ではドナルド・トランプ大統領の政権による対カナダ関税と、それに対抗するカナダ側の措置によって貿易摩擦が続いている。トランプ政権が7月に約200億ドルのカナダ製品に対して50%の関税を課し、カナダ側も報復措置を実施したものの、石油、天然ガス、電力、および一部の石油製品はこれらの対象から除外された。oilprice.comの指摘によれば、これは両国のエネルギーインフラが数十年にわたり一つの高度に統合されたネットワークとして構築されており、切り離すことが極めて困難であるためである。
一方で、カナダのエネルギー産業は長年にわたり米国市場への供給を前提に拡大してきた。過去50年間の歴史的背景として、カナダは生産されるエネルギーの大部分を米国に依存してきた実績があり、2024年にはカナダの石油生産の84%および電力生産の76%が米国へ輸出されていた。theconversation.comでは、米国市場という買い手を失えば、カナダ国内に実質的なエネルギー市場は成り立たないと分析されている。
地域における影響と今後の見通し
この不可分なインフラは米国の北西部や北東部にとって不可欠である一方、カナダ側では国家安全保障や信頼性、手頃な価格の観点から自立の模索が進められている。オンタリオ州やケベック州からの送電線はニューヨーク州の夏のピーク需要の約15%に相当する電力を供給しており、米国のグリッドにとっても欠かせない存在となっている。sg.news.yahoo.comによると、オンタリオ州のダグ・フォード州首相は、紛争がエスカレートした場合にはニューヨーク、ミシガン、ミネソタ州への電力輸出を削減すると表明している。

また、バーモント州などの米国内の州もカナダからの電力供給に深く依存しており、例えばバーモント州で使用される電力の約4分の1はケベック州政府が所有するユーティリティ企業ハイドロ・ケベック(Hydro-Québec)との長期契約によってまかなわれている。Compass Vermontによると、この契約は2038年まで継続する予定となっている。