カリフォルニア州サンタアンナにあるProfessional Sports Authenticator(PSA)の本社外で、鑑定済みトレカを積んだFedExのトラックが襲撃され、約100万ドル規模のトレーディングカードが盗難被害に遭った。事件を受け、警察や企業側が捜査を進めるとともに、被害を受けたコレクターたちが相次いで声を上げている。
サンタアンナのPSA本社外で起きたFedExトラック強盗
10月13日、カリフォルニア州サンタアンナのProfessional Sports Authenticator(PSA)本社近くに駐車されていたFedExのトラックが標的となった。サンタアンナ警察の広報であるナタリー・ガルシア氏によれば、運転手がPSAの出荷・受取口の近くに車両を離れていた60分から90分ほどの間に、何者かがトラックの鍵を壊し、荷台からパッケージを持ち去ったという。
被害に遭ったのは、全国のコレクターから鑑定のために送られ、再び所有者のもとへ返送される途中だった貴重なカード群である。サンタアンナ警察の発表によると、盗まれた荷物はパレット2台分の約100パッケージずつに加え、3台目のパレットからも約50パッケージが持ち去られた。警察による初動の推定被害額は963,000ドルに達している。
その後の調べで、Professional Sports Authenticatorは金曜日、同社のサンタアンナ施設から出荷された荷物を積んだキャリアトラックから、合計6,451点もの鑑定済みコレクションが盗み出されていたことを明らかにした。警察やPSAはFBIとも連携し、行方の分からないカードの追跡を続けているが、現時点で逮捕者は出ておらず、盗品も発見されていない。
被害総額と消えた数千枚の希少コレクション
今回の事件では、スポーツカードやポケモンカードだけでなく、マジック:ザ・ギャザリングや遊戯王!といったタイトルも含まれていた。被害に遭ったコレクターの中には、YouTubeで活動する著名カードコレクターのSky-B Cardsも含まれている。彼は動画の中で、2年かけて収集した104枚のカードが今回の盗難によって失われたと語った。
Sky-Bによれば、紛失したカードの中には1995年のUpper Deck 23Kゴールド製のマイケル・ジョーダンカードや、2024年のワンピース中国語簡体字版1stアニバーサリーセットのナミなどが含まれていたという。また、彼はカードの鑑定手数料だけで8,468ドルを支払い、最大156,000ドルの保険をかけていたと明かしている。
Sky-Bは「これらは私が2年かけて集めた104枚のカードです。ここには、二度と手に入らないかけがえのないカードがたくさんあります。そして正直なところ、経済的に完全に打ちのめされたことは言うまでもなく、それが一番の痛手です」と述べた。
他にも、デラウェア州ノースウィルミントンのビジネスオーナーであるアレッサンドロ・スペンナート氏が、約75,000ドル相当のレスリングカード82枚を盗まれたと証拠を訴えている。その中には、WWEの人気レスラーであるローマン・レインズのカードなど、一品モノの貴重なアイテムも含まれていた。
PSAとFedExの対応および業界への波紋
事態を重く見たPSAは、盗難に遭ったカードの証明書(シリアルナンバー)を直ちに無効化し、主要なオークションサイトやリセール市場のパートナー企業へ通知して転売を防ぐ措置をとった。さらに、影響を受けた顧客に対して直接連絡を取り、紛失した注文品に対して、選択されていた最大保険金額(MIV)の範囲内で適正市場価格に基づいた補償を行う方針を示している。また、盗まれた注文にかかっていた鑑定手数料の返金も進められている。

FedExの広報部門は、顧客の荷物の安全確保を最優先事項として掲げ、地元の法執行機関による捜査に全面的に協力しているとコメントを発表した。一方でPSA側も、今回の事件を受けて出荷パートナー向けのエデュケーションやプロセス、手順の改善を検討し、将来的な同様の事件の再発防止に努める姿勢を示している。
サンタアンナ警察は、事件に関する情報提供を広く呼びかけており、情報を持っている人は警察署(714-245-8665)まで連絡するよう求めている。
高騰するトレーディングカード市場と終わらない模倣犯行
トレーディングカード業界は近年、数億円単位で取引される「ポケカ」をはじめとする高額化によって、株式や債券と並ぶ新たな資産クラスとして認知されるようになった。その市場規模が拡大するにつれて、高額なカードを狙った組織的な犯罪や強盗事件が後を絶たず、今回のFedExトラック襲撃事件もその過熱する市場の影を象徴する出来事として関係者の間に大きな衝撃を与えている。
