アメリカで深刻化するサイバー攻撃を受け、これまでのシステム「防御」から「復旧」へ重点を置いて対応する動きが広がっている。.
世界最多のサイバー攻撃を受けるアメリカの現状
マイクロソフトが10月に公表した「デジタル防衛リポート」によると、アメリカは世界最大のサイバー攻撃の標的となっており、世界全体のサイバー攻撃のうち25.5%を占めている。地政学的な緊張や軍事衝突に絡む国と地域が続く中、圧倒的な比率で標的とされるアメリカのサイバー環境は格段に厳しい。 Infoseekニュースとライブドアニュースの報道によると、2位はイスラエルの7.6%、3位はウクライナの4.8%、4位は台湾の3.9%であり、日本は2.5%で8位となっている。世界全体の4分の1もの攻撃を受けるアメリカ社会では、そのインパクトの大きさが桁違いの規模に達している。

迷惑メール対策にみる「放っておく」という発想
アメリカでは「今、時間ある?」といった見知らぬ番号からのショートメッセージが日常的に大量に届く。個人情報の流出を不安に感じた筆者が現地の知人に対応策を尋ねたところ、全員が「放っておく」と答えたと、Yahoo!ニュースは伝えている。日本では不審なメッセージに対して着信拒否などの対策を講じるのが一般的だが、アメリカではその数が多すぎるため、特定の番号をブロックしても問題の解決にはならない。防御策は無駄だと割り切るこの感覚が、現在のサイバー攻撃対策にも共通する考え方として現れ始めている。
システム防御から「復旧」への方針転換
これまでのサイバーセキュリティは、攻撃からシステムをいかに「防御」するかを最重要課題としてきた。しかし、もはや防ぎようがないという現実を受け入れ、攻撃を受けた後の「復旧」に重点を置いて対応する方が、企業や政府機関にとって有益だという考え方が浸透しつつある。迷惑メールを個別にブロックしないのと同じように、完璧な防御の追求よりも迅速な復旧体制を整えるほうが現実的であるという判断だ。この方針転換は、世界最多の被害国であるアメリカの現場から生まれつつある最新の対策となっている。
急増するサイバー犯罪の被害額とAIの影響
サイバー攻撃の先にあるサイバー犯罪の被害額も深刻な規模に膨れ上がっている。アメリカ連邦捜査局(FBI)のデータによると、2025年の被害額は前年比26%増の208億7700万ドル(約3兆3000億円)にのぼった。Infoseekニュースとライブドアニュースの報道では、投資やビジネスメール、テクニカルサポートなどの詐欺被害が圧倒的に多いとされており、AIの広がりがサイバー攻撃の常識を大きく変えた背景が指摘されている。日本国内でも社会を大きく揺るがす事例が相次ぐ中、世界的な動向が今後の国内対策にどう影響するのかが注目されている。