アメリカ国内でインフルエンザシーズンが例年より早く本格化し、特に西海岸などで患者数が急増しています。保健当局や専門家は、新しい変異株の流行に対する警戒感を強め、生後6カ月上のすべての人に早期のワクチン接種を強く呼びかけています。
西海岸とケンタッキー州で早期に見つかるインフルエンザ患者の急増
アメリカでは2026年のインフルエンザシーズンが通常よりも早い時期から立ち上がり、各地の医療現場に緊張が走っています。連邦保健機関の臨床検査で陽性と判定された割合は5%に達し、これは過去10年間のこの時期としては最高水準を記録しています。特に西海岸地域では陽性率が10.7%に跳ね上がっており、昨年の同じ時期に記録した0.5%を大きく上回るペースで感染が広がっています。
ケンタッキー州レキシントンの病院救急外来では、例年よりも早い時期からインフルエンザ様症状を訴える患者の受診が相次いでいます。現場の医療スタッフは、症状そのものは従来のシーズンと変わらないものの、到来の早さが異例であると指摘しています。また、デーン郡の公衆衛生当局によれば、デーン郡の救急外来や、学校の空気を対象としたモニタリング調査から、通常よりも一足早くウイルスが検出されています。

若年層へのリスクを高めると懸念されるH1N1ウイルスの流行
2026-2027年シーズンのインフルエンザワクチンは、食品医薬品局(FDA)によって8月に承認されており、H1N1型、前シーズンの主流だったH3N2型、そしてB型ウイルスの1系統を標的にするように設計されています。ジョンズ・ホプキンス大学の疫学者であるケイトリン・リバース氏によれば、今シーズンは西の方向からウイルスが流入しており、H1N1型に対する免疫が新鮮ではないことによる「免疫のギャップ」が存在する可能性があるとされています。
ニューヨークのマウント・シナイ小児病院の小児感染症専門医であるジェニファー・デュション氏は「人々が少し懸念しているのは、今年のH1N1株が多くの若者にとって馴染みのないものであるため、若年層でより重症化する可能性があるということです」と述べています。
マウント・シナイ小児病院のジェニファー・デュション氏が指摘するように、H1N1型は若い世代にとって免疫が新鮮ではないため、より重症化するリスクが懸念されています。ウイルスの変化や複数の株の同時流行に対応するため、専門家は免疫が十分に働くまでに約2週間かかることを踏まえ、本格的な寒さが到来する前のワクチン接種を推奨しています。

低下するワクチン接種率と医療機関が示す予防への備え
データ会社IQVIAの統計によると、昨シーズンの成人向けのインフルエンザワクチンの接種者数は約5,800万人であり、COVID-19パンデミック前の2019-20シーズンにおける約7,500万人から20%以上減少しています。また、疾病予防管理センター(CDC)のデータでは、昨シーズンにワクチンを接種した子供の割合は約半数にとどまり、2019-20シーズンの60%超から低下しています。
こうした状況のなか、各地域の保健当局や医療機関はワクチンの重要性を訴え続けています。専門医からは、たとえ感染した場合でもワクチンが重症化や入院、死亡のリスクを大幅に引き下げる効果を持つことが強調されています。
具体的な健康への影響や接種場所、自身や家族にとって最適な予防策の選択については、かかりつけ医や資格を持った医療専門家に相談することが推奨されます。