実業家の西村博之氏と泉房穂参院議員が設立した政治団体「ひろゆき&いずみ新党(仮)」は10月21日、来春の統一地方選に向けた支援プロジェクトの概要を発表した。国政には関与せず、地方自治体の「首長」選挙に絞って候補者を支援する方針で、第1弾として12月の宮崎県知事選に立候補する東国原英夫氏を応援する。
地方自治体の首長選に特化した支援戦略
「ひろゆき&いずみ新党(仮)」が掲げる戦略は、国政政党の結成ではなく、特定の候補者をボランティアとして支援する形をとる。産経新聞の報道によると、西村氏と泉氏は候補者への金銭的な直接支援は行わず、ホームページ制作費の負担や、街頭演説、SNSでの発信、選挙戦略の立案などを無償で提供する。
この方針について、元大阪府知事・市長で「大阪維新の会」を創設した橋下徹氏は、関西テレビの番組やFNNプライムオンラインを通じて「非常に現実的で、大賛成」と評価した。橋下氏は、自身も首長に就任してから地域政党を立ち上げ、行政権を行使して政策を具体化することで支持を広げた経験を挙げ、今回の戦略に理解を示している。
第1弾候補・東国原英夫氏の参戦と「違約金」
支援プロジェクトの第1弾として発表された東国原英夫氏は、宮崎県知事選に無所属で出馬する意向を示している。産経新聞によると、東国原氏は当選後1年3カ月以内に公約を実現できなければ、違約金として1000万円を日本赤十字社に寄付する契約をプロジェクト側と交わす予定だ。
東国原氏は当初提示された違約金の額について「とんでもない額だった」としつつも、自身に負荷をかける意味で受け入れたと語った。また、プロジェクトの活動に対し、西村氏は「来いと言われたら行きます」と宮崎入りに意欲を見せ、現地で東国原氏と共に地域を回る計画を明かしている。
「批判する側」から「支援する側」への転換
インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者として知られる西村氏は、これまで政治を評論・批判する立場を貫いてきた。しかし、11月に50歳を迎えるにあたり、「『政治は良くない』と文句を言う側だったが、50歳になると子供たちから文句を言われる側になる」と心境の変化を語った。
泉氏は、西村氏から「批判される側になってやってみたい」との相談を受け、その真剣さを感じたと述べている。両名は、現在の政治に対する不満を口にするだけでなく、実際に変えていくための仲間作りを目指すことで合意した。産経新聞によると、両氏は「約束を守る政治」を掲げ、政治家が嘘をつくというイメージの刷新を狙う。
橋下徹氏が語った出馬の可能性
プロジェクトの発表を受け、関心を集めているのが「維新」の創設者である橋下徹氏の動向だ。関西テレビの番組内で、出演者から「大阪市長選にこの党から出ないのか」と問われた橋下氏は、出馬の可能性を即座に否定した。
橋下氏は過去の自身の発言をなぞるように「2万%ない」と回答し、スタジオの笑いを誘った。橋下氏はかつて大阪府知事選への出馬を否定する際に同じ表現を使った経緯があるが、今回は「民間人になってからホコリがいっぱい出ちゃう」と述べ、出馬の意思がないことを強調した。

今後の展望と課題
「ひろゆき&いずみ新党(仮)」が目指すのは、期限を明記した公約を掲げ、当選後にそれを実行する政治家の輩出だ。泉氏は「いつまでに何をするのかをしっかり明記することが大事」と強調しており、今後は候補者一人ひとりに具体的な期限付きの公約を求める方針である。
このプロジェクトが地方選という限られた舞台で、どこまで浸透し、既存の政党政治に影響を与えることができるかが今後の焦点となる。宮崎県知事選を皮切りに、来春の統一地方選でどのような候補者が名乗りを上げ、有権者の支持を得られるのか、その動向が注目される。