2026年9月の米ビデオゲーム市場における総支出額は47億5,600万ドルとなり、前年同期の47億9,600万ドルから1%減少した。年初からの累計支出も前年同期比3%減の410億3,800万ドルを記録している。全体が小幅なマイナス基調を示す中で、ハードウェア部門だけは例外的な動きを見せた。
市場調査会社Circanaのシニアディレクターを務めるマット・ピスカテッラ氏によれば、9月の売上を押し上げた最大の原動力は、中旬に発売された『Marvel’s Wolverine』である。同作は発売月にソニーパブリッシングのタイトルとして『Helldivers II』以来最高となるフルゲーム売上金額を達成した。GameDiscoverCoの推定によれば、9月中にPlayStationで189万本を売り上げたと見積もられている。また、インソムニアック・ゲームズが手がけたこの新作は、アメリカ国内で同月のベストセラータイトルとなっただけでなく、年間の販売ランキングでも一気に11位まで浮上した。米国とカナダのPS5ダウンロード版チャートでも首位を獲得している。.
この大ヒットはハードウェアの牽引役としても機能した。PlayStation 5のハードウェアドル売上高は前年同月比で43%増加し、ソニーは2025年5月以来となる月間ハードウェアドルシェアの最高値を記録した。さらに、本体の販売台数も22%の増加を記録している。ピスカテッラ氏によると、この大幅な売上増は主に『Marvel’s Wolverine』によるものであり、同作と同時に展開されたバトルイエローの限定版デュアルセンスワイヤレスコントローラーは、数量・金額ともに9月の全アクセサリ中で最も売れた商品となった。専用デザインの本体バンドル版も早期に完売状態となったことが報じられている。.
市場全体での9月のビデオゲーム支出の内訳を見ると、コンテンツへの支出が前年比2%減の41億7,700万ドルとなった一方で、ハードウェアへの支出は12%増の3億6,200万ドルに拡大し、アクセサリへの支出も10%増の2億1,800万ドルを記録した。なお、調査期間は暦通りの9月ではなく、8月30日から10月3日までの4週間となっている。
明暗分かれたコンソール市場とXboxの過去最低記録
ハードウェア市場全体では金額ベースで前年比12%増の3億6,200万ドルを記録したが、コンソールの販売台数そのものは3%減少している。プラットフォームごとの明暗はこれまで以上に鮮明になった。
| ハードウェア | 販売台数(前年比) | 売上高(前年比) | 平均価格(前年比) |
|---|---|---|---|
| PlayStation 5 | +22% | +43% | $646(+17%) |
| Nintendo Switch 2 | -14% | -12% | $498(+2%) |
| Xbox Series X|S | -27% | -2% | $663(+33%) |
ソニーが市場シェアで5月以来の最高値を叩き出す一方で、マイクロソフトのXbox Series X|Sは米国でのユニット販売数が前年同月比27%減と大きく落ち込んだ。ピスカテッラ氏が指摘するように、Xboxシリーズは今回の期間中においても特需の恩恵を受けることができず、9月としての月間販売台数は過去最低を更新した。また、任天堂のSwitch 2についてもユニット販売数が14%減少、ドル売上も12%減と軟調な結果となった。ただし、任天堂のパッケージ版ゲームの売上自体は前年比40%増を記録するなど、ソフト面では健闘が見られる。.
年間のソフトウェア王者が入れ替わった9月のランキング
9月のソフトウェア市場には8本の新作がトップ10にランクインし、激しい順位変動が起きた。Circanaが発表した9月の全プラットフォームを対象とする全米トップ10ベストセラーゲームの顔ぶれは以下の通りとなっている。

- 1位:Marvel’s Wolverine(ソニー)
- 2位:NBA 2K27(テイクツー・インタラクティブ)
- 3位:EA Sports FC 27(エレクトロニック・アーツ)
- 6位:Wardogs
- 8位:Halloween: The Game
- 10位:Madden NFL 27
任天堂の『ファイアーエムブレム 運命の織り手』や、バンダイナムコの人気作など、新顔がチャートの上位を固めた。任天堂のパッケージ版ゲーム売上自体も前年比40%増と大きく伸長し、Switch 2が台数ベースで前年割れとなった中でもソフト面では存在感を示している。さらに、年間累計の販売チャートでは、9月に2位となった『NBA 2K27』が『Resident Evil: Requiem』を抜き去り、2026年イヤー・トゥ・デート(年初からの累計)でのベストセラータイトル首位に躍り出た。.
次世代機をめぐる議論と今後の市場の行方
発売から約6年が経過したPS5がこれほどの勢いを見せたことで、業界内では次世代機の登場時期に関する見方に変化が生じている。当初2027年頃と噂されていたPlayStation 6の発売について、旺盛な現行機需要を背景にソニーが計画を後ろ倒しするのではないかという観測が強まっている。7月のレポートでは、PlayStation 6の登場時期が2028年後半へと先送りされるという観測も浮上していた。

アクセサリへの支出も前年比10%増の2億1,800万ドルと堅調を維持しており、ゲーム体験への投資意欲そのものは衰えていない。11月19日に控える『グランド・セフト・オート6』や『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア4』といった大作タイトルの控える今後のシーズンに向け、市場関係者の注目が集まっている。