嵐「ボエロ(Storm Boelo)」が英国を直撃し、各地で甚大な被害が発生しています。スコットランドとロンドンでは倒木による死亡事故が相次ぎ、広範囲で停電や交通機関の麻痺が続いています。
スコットランドとロンドンで相次ぐ死者
スコットランドのダンフリース・アンド・ガロウェイでは、日曜日の午前10時30分頃、60歳の男性が倒木に直撃され死亡しました。警察によると、男性は車外にいたところを襲われ、現場で死亡が確認されました。スコットランド警察の広報担当者は、事件性に疑いはないとし、検察官(procurator fiscal)に報告書を提出する予定であると述べています。
また、ロンドン北部のミル・ヒルでは、午前0時40分頃、走行中の車に木が倒れかかり、20代の男性が死亡しました。メトロポリタン警察の北西管区のガイ・エルウッド警視は、「これは非常に悲劇的な出来事であり、命を落とした若者の愛する人々に思いを寄せています」と述べました。近隣住民によると、現場の車は激しく損傷しており、救助のために木が撤去され、遺体にはテントが被せられるなど、惨状を呈していたといいます。
大規模な停電とインフラへの打撃
エネルギー・ネットワークス・アソシエーション(Energy Networks Association)によると、エンジニアが34万4,900戸の復旧に尽力したものの、日曜日の午後時点でも8万2,600戸が停電の影響下にあると報告されています。英国全土で暴風により多くの住宅が電力を失いました。
交通網も深刻な混乱に陥っています。スコットランドでは多数の主要道路(Aロード)が倒木によって閉鎖されました。鉄道各社も甚大な影響を受けており、ネットワーク・レールは、ダルマーノック駅の冠水やクレイグエンドンでの排水管の浸水、パーティックでの倒木、ビショップトンでの架線損傷などを確認しています。また、オークニー諸島のカークウォール空港は、月曜日まで閉鎖されることが決定しました。
さらに、サウス・ランカシャーのストーンハウスでは、金曜日の朝から行方不明となっている63歳のトム・アランさんの捜索が、嵐の中でも続けられています。警察はヘリコプターや潜水チーム、山岳救助隊などを投入して捜索を行っていますが、コリン・タパー警部補は「彼の安否を非常に懸念している」と述べ、住民に対して納屋や敷地内の確認を呼びかけています。
最大風速84mphの暴風と今後の警戒
気象庁(Met Office)は、最大風速84mphに達する暴風を伴う嵐ボエロに対し、スコットランドおよびイングランド北部の広範囲にわたり、日曜日の午後9時まで黄色および琥珀色の警報を発令しました。この警報は、金曜日に南西部で勢力を弱めた今季初の命名された嵐「オースティン(Storm Austen)」に続くものです。
スコットランド環境保護庁は、日曜日午後の時点で17件の洪水警報と11件の洪水注意報を発令しており、ラルグスなどの町では記録的な規模の冠水が報告されています。ナショナル・トラスト・フォー・スコットランドは、悪天候を理由に管理施設の一部を閉鎖する措置を取りました。