週末にかけて嵐「ボエロ」が英国各地を通過し、スコットランドとウェールズで激しい暴風雨による大規模な停電や交通網の麻痺が発生した。前週の嵐「オースティン」に続く悪天候により、各地の警察や自治体は倒木や洪水への対応に追われている。
スコットランド:暴風と交通網の寸断
スコットランドでは、嵐ボエロの影響で時速80マイル(約129km/h)に達する突風が吹き荒れ、広範囲で深刻な混乱が生じた。金曜日に大雨をもたらした嵐オースティンに続き、週末には最大級の警戒が必要な状況となった。気象庁は、飛来物による人身事故の危険性や建物への被害、さらには停電や交通遮断の恐れがあるとして、アンバー警報を発令した。この警報は土曜日の午後9時から日曜日の午後9時まで継続された。
交通インフラへの打撃も大きく、M74高速道路では上り線の6番ジャンクションと7番ジャンクションの間で倒木により通行止めが発生したほか、M8高速道路の18番ジャンクションでも洪水により一時閉鎖が余儀なくされた。また、エアシャーの警察は、シンクホール(陥没穴)の発生によりLochranzaとPirnmillを結ぶA841道路が閉鎖されているとSNSを通じて警告した。多くのフェリーサービスも欠航や遅延に見舞われ、利用者に移動の再検討を促す事態となった。

ウェールズ:停電と洪水被害の拡大
ウェールズ地方では、土曜日にコンウィ郡のケペル・キュリグで時速84マイル(135km/h)の突風と2.1インチ(54.6mm)の降雨が観測された。カーディフのビュート公園でも、土曜日を通して計2.2インチ(55.2mm)の降雨が記録されている。この影響で、各地で倒木や洪水による被害が相次いだ。特に、パウイス州のライアダーでは555戸が停電するなど、日曜日の朝の時点で数百世帯が電力供給を絶たれた。
電力供給を担うナショナル・グリッドは、ケレディギオンを含め南・西ウェールズで多数のインシデントに対応した。同社は影響を受けた世帯に対し、「可能な限り迅速に」電力復旧に努めていると表明し、混乱を謝罪した。北・中部ウェールズでは、SPエナジーが14件の停電事故に対処したほか、アングルシー島でも5件の被害が確認された。交通面では、鉄道のウェールズ路線で顕著な乱れが生じており、トランスポート・フォー・ウェールズ(TfW)は、洪水や悪天候のため、カーディフ中央駅とブリジェンド間、およびブリジェンドとマエステグ間の路線でバスによる代行輸送を行っている。

自治体と当局の対応
各自治体や警察は、市民の安全確保に向けた警戒を続けている。ウェールズの天然資源局(NRW)は、日曜日の午後の時点で14件の洪水警報を発令し、カーディフのエリー・ブリッジなど特定の地域で警戒を呼びかけた。また、カーディフのエリー地区にあるカウブリッジ・ロードは、水位の上昇により閉鎖された。警察は、北ウェールズのA470道路(ブラック・キャット・ラウンドアバウトとランルスト間)において、大量の瓦礫や倒木が散乱しているとして、通行時の細心の注意を促した。
ウェールズの大部分は今回の嵐において気象警報の対象外であったが、北ウェールズの一部には日曜日の午後9時まで風に関するイエロー警報が適用された。当局は現在、河川の水位は低下に向かうと予測しているものの、引き続き各道路の状況を確認し、必要不可欠でない移動は避けるよう強く推奨している。