KDDIは23日、連結子会社であるモンゴルの通信事業者「Mobicom」(モビコム)の社員らが、10月8日にモンゴル東部のヌムルグ自然保護区で草原火災を発生させたと発表した。通信ネットワークの開通式典に伴う移動中に車両から発煙し、延焼した。同社は一連の事態を重く受け止め、謝罪している。
ヌムルグ自然保護区で発生した車両火災の経緯
KDDIの発表によると、火災が発生したのは10月8日のことである。モビコムの社員らは、10月6日から8日にかけて、モンゴル東部のヌムルグ自然保護区を訪れていた。この訪問は、同国内の国境港湾局からの要請を受けたもので、整備が完了した通信ネットワークの開通式典への出席や、通信品質の現地確認が目的だった。一連の行動は国境警備隊が発行した入域許可に基づいたものであり、保護区内での移動や活動はすべて国境港湾局の管理・監督下で行われていたという。
車列体制と枯草除去の安全管理
現地での移動は、当局の車両3台が先頭と最後尾を固め、その間にモビコム所有の車両2台を挟むという厳重な車列体制がとられていた。モビコム側の車両には、運転手2人を含む計7人の社員が乗車しており、日本人は同社CEOの越智康博氏のみだった。現地の路面環境は厳しく、草丈も高いため、車両下部に枯草が付着して火災を招くリスクが指摘されていた。このため、一行は20分から30分おきに停車し、車両下部の枯草を除去しながら低速で走行するという手順を徹底していた。
発煙から広範囲への延焼に至るまで
10月8日の移動中、予定通り枯草を除去するために停車した際、車両下部からの発煙が確認された。当局の指示に従い、その場で消火活動が行われたものの、火の勢いは抑えきれず、周囲の草に燃え移ったことで火災は広範囲へ拡大した。車両から発煙した具体的な原因や、延焼に至った要因については、現在も現地の関係当局による調査が継続されている。モビコム側は調査に対し全面的に協力する姿勢を示しており、KDDIは「社員による法令違反行為は確認されていない」と説明した。
モンゴル現地からの厳しい視線と今後の対応
火災発生以降、モンゴルの現地メディアや政府高官からは、今回の事態に対する厳しい指摘や非難が相次いでいる。KDDIは23日の発表の中で、次のように謝罪の意を表明した。
モンゴル国民の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
同社は今後も関係当局の調査に協力するとともに、被害を受けた自然環境の状況把握や早期回復、環境保全に向けた具体的な取り組みを進めていく方針だ。