米連邦最高裁判所は10月22日、ニューハンプシャー州が11月の選挙で投票時に学生証を本人確認書類として受け入れることを禁止できるとする緊急命令を出しました。ケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事は、裁判所が選挙直前に投票ルールを変更すべきではないとする「パーセル原則」の適用に異議を唱え、唯一反対票を投じました。
ニューハンプシャー州の学生証禁止と連邦最高裁の判断
連邦最高裁は、ニューハンプシャー州が投票時に学生証の使用を禁止することを認める命令を下しました。この命令は、州の投票手続きを厳格化しようとする共和党の取り組みにおける勝利とみなされています。最高裁は、下級裁判所が選挙直前に投票ルールを変更すべきではないとする「パーセル原則」を適用し、州の緊急申し立てを認めました。これにより、11月3日の投開票日を控えた現時点で、学生証は投票のための本人確認書類として認められなくなります。
ジャクソン判事の反対意見と「パーセル原則」の解釈
ケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事は、今回の決定に対して唯一公に反対の意を表明しました。彼女は、下級裁判所による命令は投票ルールを変更するものではなく、州務長官による誤った解釈を正すものに過ぎないと主張しました。

「私は謹んで反対します。選挙が迫っている時だからこそ、なおさらです。州の選挙プロセスについて一般市民が正確な情報を得られるようにするために発せられた、明らかに正当な連邦裁判所の命令を乱すべきではありません」
ケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事、連邦最高裁判所
ジャクソン判事は、連邦地方裁判所の命令が「誤解を招くような情報発信」を是正するための限定的な措置であったと指摘しています。これに対して最高裁の多数派意見は、下級裁判所が選挙ルールを変更すべきではないという原則から逸脱する十分な理由を示さなかったと結論付けました。
デビッド・スキャンラン州務長官と州司法省の主張
ニューハンプシャー州のデビッド・スキャンラン州務長官は、連邦地裁による10月2日の命令が、選挙まで3週間を切ったタイミングで投票手続きに混乱を招いたと主張していました。州司法省のジョン・フォルメラ司法長官は、今回の最高裁の決定を歓迎する声明を発表しました。

「最高裁の決定は、私たちの州法を守り、土壇場での裁判所命令が有権者や選挙管理者に不確実性をもたらすのを防ぐための重要な勝利です」 ジョン・フォルメラ、ニューハンプシャー州司法長官
一方で、オープン・デモクラシー連合の法務担当者は、最高裁の命令が「間違っている」と批判しています。同団体は、今回の決定が有権者と選挙管理者の双方に混乱をもたらし、若年層の投票権を奪う政策を認めるものだと主張し、今後も訴訟を通じて戦う姿勢を示しています。
選挙に向けた今後の投票ルールと影響
今回の最高裁の命令は、本案訴訟が解決されるまでの間、有効となります。ニューハンプシャー州の選挙法に基づき、有権者は投票時にパスポートや運転免許証などの政府発行の身分証明書を提示することが求められます。学生証の使用禁止により、政府発行の身分証を持たない学生などがどのような影響を受けるかが懸念されています。