HBOのスケッチコメディシリーズ『Life, Larry, and the Pursuit of Unhappiness』が全7エピソードで完結した。最終回では、シリーズの製作総指揮を務めるバラク・オバマ元米国大統領が自ら出演し、2014年に起きた「ベージュのスーツ(tan suit)」を巡るメディア騒動を風刺するスケッチを披露した。
HBOの『Life, Larry, and the Pursuit of Unhappiness』が完結、バラク・オバマ元大統領が「ベージュのスーツ騒動」を風刺
「ベージュのスーツ騒動」をコメディで再解釈
本作は、頑固で気難しいラリー・デイヴィッドがアメリカ歴史上の重要な瞬間に介入するという設定の作品である。最終回では、オバマ元大統領が自身を演じ、2014年にISISに関する記者会見にベージュのスーツで出席し、「大統領にふさわしくない」としてニューヨーク・タイムズやGQ、フォックス・ニュースなどのメディアから批判を浴びた実際の出来事を題材にした。
劇中の改変された歴史では、ラリー・デイヴィッドが大統領の補佐官として登場する。オバマがネイビーのスーツジャケットを着用していたところ、ラリーがマンゴー・タンゴ・スムージーをこぼしてジャケットを汚してしまう。その失敗を隠すため、ラリーは大統領にベージュのスーツを着用することを強く勧め、「カジュアル・フライデー」であると主張した。これに対しラリーが、自身の定番フレーズであるprettay good(かなりいい)を連発して太鼓判を押したことで、歴史的なファッション論争が引き起こされたという設定になっている。
オバマ元大統領の演技力と即興劇
オバマ元大統領は、妻のミシェル夫人と共に運営する制作会社Varietyを通じて本作をプロデュースしており、第1話でも番組紹介のために出演していた。しかし、最終回では本格的に演技に挑戦した。
共同クリエイターのジェフ・シャファーは、オバマ氏のコメディの間(ま)は完璧であり、俳優として優れた能力を持っていたと称賛している。シャファーによれば、スケッチはアウトラインと要点のみが決められた形式で撮影され、オバマ氏は優れた即興能力を発揮したという。また、撮影現場では元大統領らしく、ラリー・デイヴィッドに対してラリー、入るのが遅すぎる!と演技指導を出す場面もあったという。
舞台裏で明かされた「ケチャップ論」
撮影の合間には、オバマ元大統領の意外なこだわりも明かされている。シャファーによれば、オバマ氏は調味料について非常に強い持論を持っており、12歳を過ぎたら誰もケチャップを使うべきではない。あれは子供の調味料であり、ただの砂糖だ。マスタードを使え!大人の調味料を使え!と熱弁を振るったという。

シリーズの構成と今後の展望
全7話で構成された本シリーズでは、ベージュのスーツ騒動以外にも、以下のようなアメリカ史の出来事が取り上げられた。

- 第一次世界大戦の塹壕での戦い
- ジョージ・ワシントンの告別演説への野次
- モンゴメリー・バス・ボイコット事件におけるローザ・パークスの擁護
- 地下鉄道(Underground Railroad)
- 共食いに至ったドナー党の一行(最終回でヴィンス・ヴォーンらが出演)
本作はアメリカ建国250周年を祝う作品として位置づけられていたため、現時点でシーズン2の制作は決定していない。しかし、シャファーは冗談交じりに「251周年を祝うこと」について言及しており、完全な終了を否定していない。