ヨセミテ国立公園のスピードクライミングで知られたジェイク・ウィゼナントさん(30)が、8月3日にカリフォルニア州シエラネバダ山脈での事故により死亡した。トゥーレアリ郡保安官事務所によると、死因は事故とされている。ウィゼナントさんは、エル・キャピタンの記録的な登攀でクライミング界に名を残していた。
エル・キャピタンでの記録的功績
カリフォルニア州マンモスレイクスを拠点としていたウィゼナントさんは、そのスピード登攀と過酷なビッグウォールクライミングで知られていた。特にヨセミテ国立公園のエル・キャピタンにおいて、数々の顕著な功績を残している。
2024年10月、ウィゼナントさんとサウスレイクタホのクライマーであるブラント・ハイセルさんは、エル・キャピタンの「ラーキング・フィアー(Lurking Fear)」ルートでスピード記録を樹立した。自身のInstagramアカウントへの投稿によると、その記録は2時間55分32秒というものだった。そのわずか2日前には、同ルートを4時間強で完登していた。
「本当に魔法のような、一生忘れない一日だった。私たちは二人ともフロー状態に入り、計画に完全にコミットし、何よりもお気に入りの岩壁で最高に楽しむことができた」 ジェイク・ウィゼナント、クライマー
また、今年5月にはクライマーのノア・フォックスさんと共に、エル・キャピタンの有名な「ノーズ(The Nose)」ルートを1日で2回登頂するという快挙を成し遂げている。ヨセミテ・クライミング・アソシエーションによると、この時の登頂時間は14時間38分であった。
事故の詳細と友人による追悼
ウィゼナントさんは8月3日に死亡したが、トゥーレアリ郡保安官事務所は事故の具体的な状況については公表していない。同事務所の検視部門は、死因を「事故」として分類している。トゥーレアリ郡にはセコイア国立公園やシエラネバダ山脈南部が含まれる。

ウィゼナントさんの生涯の友人であり相談相手でもあったベイリー・ムーアさんは、月曜日にNBCニュースに対し、ウィゼナントさんが登山中の転落事故で亡くなったことを明かした。現在、転落の詳細については調査が続けられている。ムーアさんは彼の死を「想像を絶する損失」と語った。

「私たちの家族はこのニュースに打ちのめされていますが、ジェイクが愛する美しいシエラネバダで、自分の愛することをしながら亡くなったという事実に、わずかな慰めを見出しています。私はあなたの人生のすべてにおいて、あなたを探し続けるわ、私の兄弟。さあ、あの山の高い場所でゆっくり休んで」 ベイリー・ムーア、友人
ムーアさんはウィゼナントさんについて、「言葉では言い表せないほどの人格者だった」と振り返り、「彼は単なるクライマー以上の存在だった。彼は実に多才であり、ただ心が張り裂けそうだと言うだけでは、彼の存在を十分に表現できない」と語った。SNS上では、彼を「この世の光」や「親切で誠実な人間」と称え、その死を悼む声が広がっている。
国立公園局による高地での安全への警告
今回の事故を受け、国立公園局(NPS)は高地のシエラネバダ山脈におけるレクリエーションについて警告を発している。同局は、急激な天候の変化、標高の高さ、険しい地形に注意を促し、荒野へ向かう前に潜在的な危険を計画に含めるよう推奨している。
- 備えと自立心が不可欠である。
- 旅行に出る前に、あらゆる潜在的な危険を想定して計画を立てること。
- 適切な装備と衣服を携行し、個人の体力的な限界を把握しておくこと。
- 状況が安全でないと判断した場合は、引き返す準備をしておくこと。
また、国立公園局は、遠隔地の荒野では緊急支援が即座に行われない可能性があると注意喚起しており、緊急時には自力で対処できるように準備しておくよう強く求めている。