米株式市場は月曜日、イランを巡る地政学的リスクの高まりを背景に、先週末に記録した最高値圏から反落した。主要3指数は揃って下落し、投資家心理が冷え込む展開となった。
米主要3指数が下落、イラン情勢の不透明感が重石に
ダウ工業株30種平均は60ポイント(約0.1%)安となり、S&P 500種株価指数も0.1%未満の下落で取引を終えた。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は0.3%の下げを記録した。市場では、ホルムズ海峡の再開時期が不透明であることへの懸念が強く、原油価格の高騰が重石となった。
原油価格の急伸とホルムズ海峡を巡る交渉の停滞
原油先物市場では、供給懸念から価格が急上昇した。国際指標であるブレント原油先物は5%上昇し、1バレル=87.72ドルで取引を終えた。米国産標準油種(WTI)も約5.1%高の82.13ドルまで値を上げた。
価格上昇の背景には、ホルムズ海峡の再開を巡る交渉の停滞がある。イランのタスニム通信によると、同国のアッバス・アラグチ外相は日曜日、米国が6月の覚書に違反し、その「違反」に対する補償を行わない限り、交渉を再開する可能性はないと明言した。テヘラン側は、海峡再開の条件として、米軍の撤退や全ての制裁解除、戦争賠償金の支払いを要求している。
米国の戦略石油備蓄(SPR)が1983年1月以来の低水準に落ち込んでいることも、エネルギー供給への不安を増幅させている。
企業決算と経済指標への注目
市場の関心は、今週水曜日に発表される7月の米消費者物価指数(CPI)に集中している。エコノミストの予想では、インフレ率は6月の3.5%から3.4%へわずかに鈍化する見通しだ。インフレの抑制は連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ圧力を軽減する可能性があるが、エネルギー価格の高騰はこれに逆行するリスクを孕んでいる。
企業業績については、第2四半期決算シーズンが終盤を迎えている。FactSetによると、S&P 500構成企業の1株当たり利益は前年同期比で50%急増する見通しであり、これは新型コロナウイルス禍からの経済回復期以来の力強い成長となる。
個別銘柄では、インテルが150億ドルの普通株発行計画を発表したことを受け、4%超の下落を記録し、相場の重石となった。また、エヌビディアが2.9%安、アップルが1.5%安と続いた。一方、バークシャー・ハサウェイは1.5%上昇したほか、マリンマックスやヴァレックス・イメージングなどの企業が買収発表を受けて急伸するなど、個別材料による動きも目立った。
金融政策を巡る市場の読み
金利環境を巡っては、先週金曜日に発表された7月の米雇用統計で雇用の伸びが予想外に弱含んだことを受け、FRBによる利上げ観測が一部後退した。CMEグループのデータによると、9月の会合で利上げが行われる確率は約52%と、1週間前の67%から低下している。

しかし、10年物国債利回りは4.70%に上昇しており、これはイランとの戦争開始前の3.97%から大幅な上昇となっている。金利の上昇は住宅ローンや企業融資のコストを押し上げ、株式市場のバリュエーションを圧迫する要因となっている。
市場テクニカルアナリストからは、現在の株価上昇局面について「歴史は繰り返さないが韻を踏むことが多い」との警戒感も示されており、最近のブレイクアウトが持続するかどうか、投資家は慎重な姿勢を強めている。
[https://www.wsj.com/livecoverage/stock-market-today-dow-sp-500-nasdaq-08-10-2026] [https://www.cnbc.com/2026/08/09/stock-market-today-live-updates.html] [https://www.investors.com/market-trend/the-big-picture/dow-jones-sp500-nasdaq-inflation/] [https://apnews.com/article/stocks-markets-rates-iran-ai-adb7b918b15206e38d7899d482422308]