ニューヨーク市のゾーラン・マムダニ市長は、市内のラストマイル配送を担う労働者の保護を強化する新たな規制の導入に踏み切った。対象となるのは、アマゾンなどの大手流通企業が最後の配送拠点において外部の下請け業者を利用する慣行であり、労働者を不安定な状況に置いている構造の是正が狙いだ。
マムダニ市長が「配達保護法」を支持、狙いと労働者の現状
マムダニ市長は月曜日に発表した支持表明の動画の中で、もしアマゾンが荷物を配達しているなら、他のどの配達会社と同じルールに従うべきだと述べたと、ビジネスインサイダーが報じている。
市当局側は、従来の第三者を通じた下請け契約が、労働者を市内の道路における危険な労働環境に対して無防備にしていると指摘している。カバン議員はビジネスインサイダーの取材に対し、この法案によって労働者と私たちの街の道路を安全に保ち、巨大企業が責任逃れのためにサードパーティの請負業者の後ろに隠れるという茶番劇を終わらせたいと語っている。
さらにマムダニ政権は、ウーバーイーツやドアダッシュなどのフードデリバリーアプリに対する取り締まりも進めており、市当局によれば、今年1月以降の不正なチップ慣行に対する是正措置により、配達員に対して1億400万ドルの追加チップがもたらされたとしている。
アマゾンと地元小規模事業者の反発、配送網の市外移転の懸念
文面通りの形になれば、この取り組みは直接的に損なわれることになります。お客様に荷物を届ける小規模事業者たちを脅かし、5,000人を超える従業員の雇用を危険にさらすとともに、私たちの配送拠点をニューヨーク市外へ移転することを検討せざるを得なくなります。 ケリー・ナンテル(アマゾン広報担当)、ビジネスインサイダーおよびニューヨーク・ポスト
アマゾンの広報担当であるケリー・ナンテル氏は、市議会議員全員に対し、投票を行う前に実際の配送ステーションを訪れて請負業者と面会するよう呼びかけている。
また、50の小規模事業者で構成される「ニューヨーク・デリバーズ・コールション」も月曜日に市議会へ書簡を送り、法案がラストマイル配送のエコシステムを支える小規模な家族経営のコミュニティに与える現実的な影響を考慮するよう求めた。
ニューヨーク・ポストの報道によると、市内のラストマイル配送労働者の82%は大学の学位を持たず、84%が非白人であり、同連合は市内全体で最大10,000人の配達関連の雇用が脅かされると主張している。ハーレムおよびその周辺の4つの評議員区だけでも約3,500人の雇用がリスクにさらされているという。
コスト上昇の試算と現場の当事者たちの声
この法案を巡っては、労働者の権利保護という名分の裏で、一般消費者の負担が増大するという経済的懸念も浮上している。
広がる法的圧力と今後の市議会の判断
ニューヨーク市における今回の法案を巡る攻防は、より広範な地域でアマゾンに向けられている法的圧力の波とも重なっている。マムダニ市長による発表の数日前には、ニュージャージー州の司法長官が連邦独占禁止法違反の疑いでアマゾンを提訴している。

同訴訟では、アマゾンが市場支配力を乱用して配送会社やそのドライバーの報酬を不当に抑制していると非難している。これに対しアマゾンの広報担当者は、この訴訟は事実に基づいておらず、配達パートナーは独立した事業者であり、労働者は自由に雇用主を選ぶことができると反論している。
ニューヨーク市においては、昨春に公聴会が開かれた後、配達保護法は現在市議会によって評価されている段階にある。支持派と反対派がそれぞれ街頭でのアピールや組織的な働きかけを強める中、市議会が下す判断と、それに伴うアマゾンの動向に注目が集まっている。