ニューヨーク港のリバティ島付近で観光船が転覆し、乗客の27歳の女性と生後5カ月の乳児が死亡した事故をめぐり、船を操縦していたマヌエル・エルナンデス容疑者が連邦罪および州法違反で訴追されました。事故当時、船には定員を超える14人が乗船しており、沿岸警備隊の認可を受けていない違法なチャーター運行であったことが明らかになっています。
ニューヨーク港の象徴である自由の女神像近くの水面で起きた悲劇的な事故は、無許可の遊覧船運行がもたらす重大な安全上のリスクを浮き彫りにしました。週末の夜に起きた転覆事故により、若い母親と幼い命が失われ、運行を担っていた船長に対する司法手続きが急ピッチで進められています。
マヌエル・エルナンデス容疑者の連邦訴追と保釈の経緯
マンハッタンの連邦地裁に出廷した46歳のマヌエル・エルナンデス容疑者は、船長としての職務上の不正行為および過失により死に至らしめた罪など、複数の罪状で訴追されました。各メディアの報道によると、同容疑者は罪状認否を行わず、保釈金5万ドルで釈放された後、連邦拘留施設に移送されました。
弁護人を務めるエイミー・ガリッキオ弁護士は、法廷の外でメディアからのコメント要請を辞退しています。連邦検察側の訴状では、事故当時の船の運航体制における数々の重大な違反行為が指摘されており、司法の判断がどのように下されるのかが注目されています。
定員オーバーと救命胴衣の未装備が招いた被害
裁判所に提出された訴状によると、事故当時、船には乗組員を含む14人が搭乗しており、定められた最大許容定員である10人を大幅に超過していました。さらに、乗船していた生後5カ月の女児に対しては、乳児用の個人用浮揚装置(ライフジャケット)が一切用意されていませんでした。
出航前、エルナンデス容疑者は両親に対して乳児用ライフジャケットの有無を確認し、両親が所持していないと答えると、船に子ども用や乳児用の設備がないことを告げました。その結果、保護者のどちらかが自身でライフジャケットを着用し、ツアー中ずっと赤ん坊を抱え続けるよう指示していたことが捜査で判明しています。
故意に乳児が個人用浮揚装置を着用していないことを知りながら乳児を乗せて船舶を運航した 連邦検察の訴状、NBC NewsおよびCBS Newsの報道
無許可チャーターの背景と事故発生の瞬間
大型の通過船舶の航跡によって引き起こされた可能性のあるうねり 連邦訴状、NBC Newsの報道

犠牲となったサラ・サンチェスさんとアントネラ・ガルシアちゃん
冷たい水中から救助されたものの意識がなかった27歳のサラ・サンチェスさんと、生後5カ月の娘アントネラ・ガルシアちゃんは、救急搬送先のニューヨーク大学ランゴン病院やブルックリンの病院で死亡が確認されました。家族の知人や同僚らは、突然の悲劇に深い悲しみを寄せています。
楽しい家族のお出かけになるはずだったものが、想像を絶する悲劇に終わってしまいました イル・プント・リストランテ、Instagramの投稿より
沿岸警備隊ニューヨーク地区司令官のドリーン・マッカーシー隊長も声明を発表し、迅速な救助活動を行ったパートナー機関や民間救助船の英雄的な行動に極めて深い感謝を表するとともに、犠牲者の家族と愛する人々へのお悔やみを述べました。規制を無視した無謀な運航がどのような法的責任を問われるのか、今後の裁判の行方に厳しい視線が注がれています。